スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。めったに更新しませんが生きてます。

「My Funny Valentine」

(ここで言っていることはすべて「私の知る限り」の話なので、間違ってたらすみません)

リチャード・ロジャースの最も有名な曲の1つ「My Funny Valentine」、ちょっと数えてみたら、このブログを書いている時点でわかるかぎり、ゲッツは8テイクの録音を残しています。動画は追いきれないのでノーカウント。

これをヴァレンタインデーのことだと勘違いするというのは初心者のお約束ですね。個人的にはこの曲は単に暗いだけで好きではないです。

さて、ゲッツによる「My Funny Valentine」の録音は以下のとおり。

1953年「West Coast Live/Chet Baker & Stan Getz」

1957年「Stan Getz and J.J Johnson At The Opera House」2テイク

1959年「Scandinavian Days」「Stan Getz In Denmark」

1983年「The Stockholm Concerts /Stan Getz & Chet Baker」2テイク

1983年「Seven Faces Of Valentine /Chet Baker」

1988年「Stan Getz, J.J. Johnson Quintet Live In Chicago 1988」

ちなみに「The Vancouver Concert 1965」に収録されているトラックはゲイリー・バートンのソロ演奏です。

「え?1953年「West Coast Live/Chet Baker & Stan Getz」はゲッツ不参加でしょ?」といいう意見もありそうですが、よく聴くとかすかにオブリのようなゲッツのロングトーンが聴こえます。まあ、ノーカウントにしてもいいレベルなんだけど。

1983年の録音3つはチェット・ベイカーとのライブで、歌伴。1957年「Stan Getz and J.J Johnson At The Opera House」はミディアムテンポで軽快なジャズ。このように演奏すると極上のジャズの素材となります。1988年「Stan Getz, J.J. Johnson Quintet Live In Chicago 1988」でも同じようにミディアムテンポで演奏しています。

1959年の「Scandinavian Days」のテイクは現地のオーケストラとの録音で、普通にバラードとして演奏しています。もともとこの曲について、マイルス・デイヴィスなど一部の例外を除いてバラードとして演奏されたものが好きではなかったのですが(なんだかかったるくてw)、しかしこのゲッツの録音はしっとりしていてけっこういい。

 

改めてゲッツの時代区分

ゲッツの音楽の変遷(主にピアニストの変遷か)を、録音データをもとにまとめてみます。かなり短期間のものについては省略しています。当然、録音データがない時期にもライブなどがあります。

・ピアニストがアル・ヘイグの時期

1948年10月25日「A Look At Yesterday」~1950年5月17日「 The Sound」

1951年10月28日「Stan Getz At Storyville」はトラだったのかもしれない。

・ピアニストがホレス・シルバーの時期

1950年12月10日「The Complete Roost Sessions Vol.1」~1952年4月15日「Birdland Sessions 1952」

・ピアニストがデューク・ジョーダンの時期

1952年5月31日「Birdland Sessions 1952」~1953年3月8日「 Live At The Hi-Hat 1953 Vol.1 」

・ピアニストがジョン・ウイリアムスの時期

1953年4月16日「Stan Getz & Cool Sounds」~1955年1月31日「Stan Getz & Cool Sounds」

・ピアニストがルー・レヴィの時期

1955年8月1日「Hamp & Getz」~1957年10月12日「Getz Meets Mulligan In Hi-Fi」

1958年5月17日「England 1958 / Chicago 1957」や1959年4月28日「Stan The Man」でも共演がある。困ったときはレヴィに頼むことになっていたのか。その後は1981年「The Dolphin」などでも共演。

・ピアニストがモーズ・アリソンの時期。

1957年2月16日「The Golden Years, Vol. 1 1952-1958」~1957年7月12日「The Soft Swing」

これは他と重なるので、レヴィまたはアリソンはどちらかがトラ要員だったのかもしれない。

・ピアニストがマーシャル・ソラールの時期

1958年4月「Sweetie Pie」~1959年1月「Live In Paris 1959」

これはフランスでの演奏のときだけと思われる。

・ピアニストがヤン・ヨハンソンの時期

1958年8月26日「Imported From Europe」~1960年5月1日「Without A Song」

・ピアニストがベンクト・ハルベルクの時期

1958年9月15日「In Sweden1958-60」~1960年10月1日「Without A Song」

欧州時代はだいたいこの2人のどちらか。ハルベルクの方は1955年12月16日収録の「Stan Getz In Stockholm」でも共演。

・欧州時代

1958年6月「'Round Midnight In Paris」~1960年10月1日「Without A Song」、そして11月21日「Complete Live In Stockholm. November 21 1960 /Jazz At The Philharmonic」。

・ピアニストがスティーブ・キューンの時期

1961年7月3日「Stan Getz Miles Davis Rare Live」~1961年11月26日「Getz At The Gate」

・ボサノヴァイヤーズ

1962年2月13日「Jazz Samba」~1963年3月21日「Getz/Almeida」

1964年10月9日「Getz/Gilberto #2」などはボサノヴァ時代ではない。

・ゲイリー・バートン入りカルテットの時期

1964年3月4日「Nobody Else But Me 」~1966年11月13日「Stan Getz Quartet In Paris」

・オルガントリオの時期

1971年1月11日「Dynasty」~1971年8月26日「Stan Getz - Rene Thomas Quartet / Live In Loosdrecht 1971 」

・ピアニストがチック・コリアの時期

1972年3月3日「Captain Marvel」~1972年7月23日「Complete Live At Montreux 1972」

・ピアニストがアルバート・デイリーの時期

1974年7月4日「Broadcasts/ Stan Getz, Gerry Mulligan」~1975年10月1日「The Master」

・ピアニストがジョアン・ブラッキーンの時期

1976年5月11日「Moments In Time」~1977年1月30日「Live At Montmartre」

・ピアニストがアンディ・ラヴァーンの時期

1977年8月4日「Oslo 1977」~1980年1月23日「Empty Shells」

・チャック・ローブ在籍の時期

1980年1月23日「Empty Shells」~1981年11月4日「Billy Highstreet Samba」

・ピアニストがジム・マクニーリーの時期

1980年1月「Pure Getz」「Blue Skies」~1983年2月19日「Quintessence Vol.1」「Quintessence, Vol. 2」

・ピアニストがケニー・バロンの時期

1985年8月31日「Tribute To Zoot Sims」~1991年6月6日「People Time: The Complete Recording」

意外なことに、アルバート・デイリーの時期は短いんですね。そして、ケニー・バロンの時期が一番長かった。

Stan Getz Sax Solos

 

ゲッツのトランスクライブ集。収録曲は以下のとおり。

Amorous Cat(Apasionado)

Blood Count(Anniversary)

Corcovado(Getz/Gilberto)

Desafinado(Jazz Samba)

East Of The Sun(West Coast Jazz )

I'll Remember April(The Stockholm Concerts /Stan Getz & Chet Baker)

One Note Samba(Jazz Samba)

Soul Eyes(People Time)

The Girl From Ipanema(Getz/Gilberto)

めちゃくちゃな選曲ではあるんだけど、「Apasionado」「Anniversary」「People Time」からの採譜とかはなかなか貴重。いくつかは「Omni Book」や「Stan Getz Bossa Novas」とも重複している。例えば、「Stan Getz Bossa Novas」には「Corcovado」「Desafinado」「One Note Samba」「The Girl From Ipanema」が収録されており、「Omni Book」には「Desafinado」「One Note Samba」「The Girl From Ipanema」「East Of The Sun」が収録されている。そうすると、レアなのは「Amorous Cat」「Blood Count」「I'll Remember April」「Soul Eyes」。さすがに「Apasionado」の中で一番どうでもいい曲(といったら申し訳ないけど)である「Amorous Cat」をやりたい人は少ないと思うし、基本的にテーマとフェイクだけの「Blood Count」は有用度が低い。「I'll Remember April」「Soul Eyes」は80年代以降のゲッツのサウンドが印象的な曲なので、これらについてはよく採譜・出版してくれました、というところだけど。