スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

Stan Getz, J.J. Johnson Quintet Live In Chicago 1988

 

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あのオペラハウスの約30年後の再開セッション。ジャケット写真が若いな~まるでリード・マイルスの失敗作のようなジャケットも、あえて発掘ものでなくオリジナルアルバムっぽくて良い。

選曲はオペラハウス盤といくつかかぶっている。あちらを知っているファンへの、ファンサービスなのだろう。「Billie's Bounce」「My Funny Valentine」「Blues In The Closet」など。それから「Yesterdays」。

なんとなく音質はわるくないと思うけど、よく聴いてみるとゲッツの音色のレンジが狭く、きれいに聴こえない。「Yesterdays」はJ.J.がオペラハウス(いや、正確にはシュライン公会堂か)でも演奏していたのでその再演かと思っていたら、ゲッツの80年代アレンジのバージョンでした。そして「Misty」はJ.J.をフィーチャー。結局ゲッツによる「Misty」って、ボブ・ブルックマイヤーヘレン・メリルとの録音のものしかないような。

「My Funny Valentine」での「最後に音を出したやつが勝ち」合戦は50年代よりはパワーダウンしていて、少し笑えます。

しかしこのCDには1988年の邂逅の記録というほかにも実は大きな意義があります。JATPの欧州公演(1960年11月21日)のコンプリートボックスに収録されていなかった「Blue N' Boogie」が、なんとボーナストラックとして収録されているんですよ。アナログレコードには収録されていたのにコンプリートCDボックスからは漏れるなんて。ていうか、それじゃコンプリートじゃないじゃん・・・とガックリきていた人には、ようやくこれでコンプリートになったわけです。この1988年のライブとはまったく関係ないんだけどね。

あと、同じくJATPのドイツ公演、こちらは1960年12月2日ですが、その1曲が収録されています。なんとキャノンボール・アダレイとの共演。上述JATPコンプリートボックスではキャノンボール参加曲とゲッツ参加曲が重なっておらず、同じツアーなのに共演はないのかと思っていた人もいたでしょう。これは驚き。

 

Live in Chicago 1988

Live in Chicago 1988