スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

Pure Getz

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ジャケットがモノクロだから、なんとなくパッとしない内容なのかなと思うと、いい意味で大きく予想を裏切られる。80年代以降のゲッツは基本的にハズレなし。私のヘビロテアルバムです。

ライブでもおなじみの「On The Up And Up」や「Tempus Fugit」のスタジオ録音も収録。「On The Up And Up」はかっこいいですね。ゲッツのサイドマンが作曲して主要レパートリーになった曲としては、「La Fiesta」「Voyage」に並ぶ名曲。また、晩年の愛奏曲となった「Blood Count」はおそらくここでのテイクが初演。

ブルース「Sippin' At Bells」では構成がおもしろい。ピアノレスの中マーク・ジョンソンのベースとゲッツがクールな掛け合いをしながら進み、ピアノが入った瞬間ゲッツもホットな演奏に切り替わるのがすごくカッコいい。ゲッツのソロのテンションを入れた終わり方もかっこよく、フレーズを真似したものです。

ビル・エバンスの名曲「Very Early」は、これまたゲッツのために書かれたのではないかと思うほどマッチ(実際にはエバンスが10代の頃に書いた作品だからそんなわけありませんが)。この曲、バラードではないけどゲッツのバラードの特徴である、カッコいいエンディングが用意されている。このエンディングを聴くためにこのアルバムを聴いてほしい。また、この曲はいわゆるモード曲なわけですが、あいかわらずゲッツはどんな曲でもきれいに吹きこなす。

「I Wish I Knew」はジョン・コルトレーンがアトランティックに吹き込んだ「Body And Soul」と同じイントロで始まる。「I Wish I Knew」のコルトレーンが演奏しているテイクも名演だから、一種のトリビュートなのかな?

Pure Getz

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