1961年11月26日ライブの発掘音源。いつもはうるさいロイ・ヘインズが割とまともに叩いていて、ヘインズファンには物足りないでしょうけど私は安堵しています。
内容はというと、すばらしい好演。ただ、やたらと高速の曲が多いという印象です。ここまで飛ばす曲ばかりで、いったいどういう心境だったのかと思うくらい。数えてみると5曲程度なんだけど、中途半端なミディアムファーストでなくとにかくファーストなので、印象が強いのかも。高速曲は手癖に毒されておらず、まさに絶好調なゲッツを聴くことができます。なぜこんなプレイをできるのか、まったく信じられない。
「Where Do You Go?」は、なんだかつかみどころのない曲だけど、これが本物。ほかのアルバムに収録されているのは、ゲッツがMCで「Wildwood」を間違って紹介しているやつですね。例の、かなり出回っていろんなCDに収録されている、スコット・ラファロ最後の録音で「Wildwood」が「Where Do You Go?」と記載されていたので、けっこう間違いが流布してしまいました。このアルバム「Getz At The Gate」にはその2曲とも収録されているというのがおもしろい。
大切なことを1つ。「Impressions」が収録されているので「ゲッツがあの曲を?」と思って期待していましたが、ピアノトリオによる演奏でした。当初は嫌いだったこの頃のスティーブ・キューンのプレイ、何度か聴いてるうちにブロックコードを多用した特徴的なスタイルが気に入ってきたのですが、この曲での演奏はなぜかげんなりするフレーズだらけなのが残念。