スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

Dizzy Gillespie, Johnny Griffin & Stan Getz Festival de Châteauvallon 1971

1971年のフランスでのライブ。この「Jazztime」レーベルはCD-Rでレアな音源を販売していますね。確かJazztimeの音源はけっこうyoutubeに動画が上がっていると思います。違ったかな?

この録音、もともと「Summertime /Dizzy Gillespie - Johnny Griffin Quintet」というアルバムにゲッツ参加の「Stella By Starlight」1曲だけが収録されていたのですが(それも途中から始まる音源で)、これはそのコンプリート盤とのこと。CD2枚組で13曲、ゲッツ参加曲は6曲(CD裏面には5曲とあるが、最後の「Perdido」にも参加している)という内容なのですが、ゲッツ不参加曲ではもともと収録されていたうちの2曲が消えていて、「コンプリート盤ではないぞ?」と思います。ゲッツ参加曲のみ目当てである私にとってはどうでもいいことではありますけど(だからディスク1の方はめったに聴かないと思う)。ちなみにこのライブの3日前の録音が2曲、オルガン入りのカルテットで残っています。たぶん同じジャズフェスティバルです。それらは「Stan Getz - Rene Thomas Quartet / Live In Loosdrecht 1971」などいくつかのCDに収録されていますね。

で、このアルバムですが、「Summertime /Dizzy Gillespie - Johnny Griffin Quintet」より格段に音質がよくなっています。同盤に唯一収録されていた「Stella By Starlight」は途中からでなくちゃんとイントロから入っていますよ、曲想にまったく合わないバップ的なイントロが。すごく新鮮。

バップと言えば「Be Bop」はテンポが速すぎて、演奏は散漫ですが、続く「Baby, I’m Hard Of Hearing Mama」はけだるい3連のブルースで、ゲッツらしいソロを聴かせます。ボーカル参加ですが、歌伴というよりは順番にソロをしているだけです。ボーカリストは初めて聴く名前だけど、アメリカ出身でフランスで活動していたのかな?歌は多分フランス語、フランス語のどブルースというのが心地よい違和感、で、即興的に歌詞に「スタン・ゲッツ」とか名前を入れているようです。

それから、これは初録音なのではないでしょうか、スタンダードとも言えるファッツ・ウォーラーの「Jitterbug Waltz」がある。この曲のソロの入り方が地味ながらかっこいい。ゲッツのワルツへのアプローチはぐっとくるものが多い。これはいいテイクです。

Oop-Pop-A-Da」は「Homage To Charlie Parker」でも演奏されていました。冒頭のテナーがゲッツですが、なんだか速すぎて乗り切らず、らしくないですね。まあこのライブは音色からしてゲッツらしさが不足していることは事実。長い音符で隙間を埋めているようなフレーズが多い。ディジー・ガレスピーは頻繁にアップテンポの曲を演奏しているので、あいかわらずだな~という印象。