スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

Tribute To Zoot Sims

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JazztimeのCD-R盤ですが、またまた内容がかなり良いです。ただ、知らない曲が多い・・・1トラック目(1曲目としましょう)のアナウンスに続いて、「Jeepers Creepers」のメロディが引用されるようなきれいな曲は、曲名不明。それに続く曲はゲッツの晩年の愛奏バラード「Falling In Love」。CDには4曲目にそのタイトルが記載されていますが、3曲目です。で、4曲目はこれも曲名不明。つまり、2曲目と4曲目が曲名不明。一方、CDで3曲目に記載されいていた、やたらと長い曲名はこの2曲のうちのいずれかなのでしょうね。「If You Cared For Me Like I Cared For You Then You Wouldn't Cared All」、確かにMCでそう言っているのがわかるけど、本当にタイトルなのか・・・ズート・シムズの主要レパートリーなのかもしれないけど、あいにくズートのことはほとんど知りません。ファンにはわかるのかな。

 

評伝にはこのコンサートについて何も書かれていないけど、企画が誰かは別としてゲッツがメインのステージだったのでしょうね。メンバーはゲッツの当時のカルテットのリズムセクションである、ケニー・バロンにジョージ・ムラーツ、アル・フォスターという豪華な顔ぶれ。バロン以降の録音はピアノもかなり安心して聴けます。途中でフロントのみジェリー・マリガンに交代したり、ハービー・スチュアード、ジミー・ジュフリーの演奏もあるけどここでは割愛。マリガンとゲッツの2管曲があり、おそらくバリトンとの対比でそう印象付けられてしまうだけなんだろうけど、やけにゲッツが活きのいいプレイをしています。まさにハツラツといった感じ。マリガンとのバトルでは若々しさで圧倒的に勝っている。ただ、おそらくマリガンと思われる途中のMCの声は、ゲッツとは比べ物にならないほど若々しい。ゲッツはこの頃すでに闘病生活だったからしょうがないけど。

ラスト、「Four Brothers」はゲッツとマリガン、スチュアードとジュフリーによる4管なんだけど、これがすごい。たった4本でここまでリッチサウンドかつゴージャスになるとは。やはりジュフリーのアレンジが秀逸。彼はプレイヤーとしては大したことなかったけどこういう点ではいい仕事を残している。「Early Autumn」も同じく迫力あるアレンジがたった4人で再現されている。これは聴き物。テナー3本とバリトン1本でここまで華やかになるとはすごいです。