スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

Bird At The Apollo /Charlie Parker

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なぜかゲッツの録音がこのアルバムに3曲入っている。一応言っておきますが、チャーリー・パーカーとの共演ではありませんので。名義は「スタン・ゲッツ・オーケストラ」ということになっているけど、アレンジはウディ・ハーマン楽団のまんま。1曲目「Four Brothers」でゲッツ、ズート・シムズジェリー・マリガンによるソロ交換が聴けるのはうれしいけど。

それから「Early Autumn」、この曲、60年代以降の再演はどれも楽器がうまく溶け合っていない粗雑なアンサンブルだという記憶があるけど、この録音はまだ1950年でウディ・ハーマン楽団にいたころとさほど時期的な隔たりがあるわけではないので、しっくりきます。アレンジはまたもやハーマン楽団とまったく同じ。ブリッジのフレーズがちょっと違うのはソロだから。これがゲッツ名義である理由がわからない。ハーマンは怒らなかったのかな。

そして「My Gentleman Friend」。ところがこの曲はサラ・ヴォーンのボーカルだけがフィーチャーされて、ゲッツのソロはなし。アンサンブル要員としてのみで音も聴こえず、いやゲッツのことだから本当はアンサンブルにも参加していないのかも?

 

上に紹介した曲のうちゲッツのソロが聴ける2曲は1965年のバンクーバーでのラジオ音源録音「The Vancouver Concert 1965」にも収録されている。「My Gentleman Friend」はゲッツのソロがないので、「The Vancouver Concert 1965」を持っている人は、マニアでもない限り残り1曲ためにわざわざこのアルバムを買わない方がいいでしょう。

 

Bird at the Apollo

Bird at the Apollo