スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

Sweetie Pie

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貴重な音源が詰まったコンピアルバム。冒頭「Sweetie Pie」は前半はルーストのスタジオ録音そのままで、フレーズも使い回しなんだけど、ゲッツがやたらと長くソロをとっていて、後半は聴いたことのない(あたりまえなんだけど)フレーズが登場、けっこうおもしろい。

それから2曲目「Ornithology」、とにかく音質がおかしくて、ゲッツの音色がまったくゲッツに聴こえない。別人に聴こえる。それでもときおり出てくるゲッツフレーズ、ゲッツの音色じゃないのにゲッツフレーズということで違和感があり、すごく楽しめる。おかしな楽しみ方ですね。

チェット・ベイカーとのカルテットの3曲はディスコグラフィーでは1953年のヘイグのライブ音源と収録日が違うことになっているけど、聴いてみると同じだということが分かる。

Cherokee」はほぼまったくベースが聴こえない。スコット・ラファロとのライブ録音よりも聴こえない。そういう意味ではベースレスのゲッツが楽しめる・・・いや、楽しくないです。

しかしこのアルバムの最大のポイントは、まだゲッツが威張り散らしている頃における日本でのコンサートが収録されているところ。「Waltz For A Lovely Wife」がそれ。1965年です。ジャズ批評では「これを聴く限りでは手抜きかどうかわからない」と書かれているけど、前半ヴァイヴとベースにソロをとらせてそのあとお茶をにごす程度にソロをとっているのは、やはり手抜きではないのかなと思う。

Windows」は音質がわるいながらもゲッツがかなりアグレッシブに演奏していて、いい感じ・・・ただこの曲、「Windows」でなく「Grand Father's Waltz」なんですけどね!

Sweetie Pie

Sweetie Pie