スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

Omni Book

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ゲッツのオムニブック。全54曲収録で、その内容はアマゾンのサイトからも確認できます。自力でコピーをした私にとっては特に不要ですし「これを選ぶかなあ?」という選曲も多いです。

 

音源の収録アルバム表示にはオリジナルアルバムでなくベスト盤や編集盤のタイトルがずらりと並んでいて、ジャズファンの気持ちを分かっていない人が作ったのかな、という印象です。たまにレア音源や発掘音源からの採譜もあり、選択基準がイマイチわかりません。ということで、収録曲は以下のとおりですが、うち、にベスト盤とか編集盤の音源だと記載されている曲については本来のオリジナルアルバムの方を記載しました。

Airegin(Stan The Man

 All The Things You Are(The Song Is You

Autumn Leaves(Empty Shells

Bahia(Jazz Samba

Billie's BounceStan Getz and J.J Johnson At The Opera House

 Blue Skies(Blue Skies

 Blues In The Closet(Stan Getz and J.J Johnson At The Opera House

 Budo(Complete Roost Recordings)未発表テイク

 But Beautiful(Stan Getz & Bill Evans

 Captain Marvel(Captain Marvel

 Come Rain Or Come Shine(Pure Getz

 Con AlmaYours And Mine

 Conception(Quintessence, Vol. 2 /Stan Getz Quartet With Chet Baker

 Confirmation(Poetry /Stan Getz & Albert Dailey

 Desafinado(Jazz Samba

 Detour Ahead(Stan Getz And The Oscar Peterson Trio)CD追加曲

 Dizzy Atmosphere(Quintessence, Vol. 1 /Stan Getz Quartet With Chet Baker

 Doralice(Getz/Gilberto

 Early Autumn(Cool Velvet

 East Of The Sun(West Coast Jazz

 Exactly Like You(Diz & Getz

 Funkallero(Stan Getz & Bill Evans

 Garota De Ipanema(Getz/Gilberto

 I Remember You(Serenity

 I Want To Be Happy(Stan Getz And The Oscar Peterson Trio

 Like Someone In Love(The Steamer

 Move(Stan Getz At Storyville

 My Ideal(Quintessence, Vol. 1 /Stan Getz Quartet With Chet Baker

 Night And Day(Stan Getz & Bill Evans

 A Night In Tunisia(Poetry /Stan Getz & Albert Dailey

 O Grande Amor(The Stockholm Concerts /Stan Getz & Chet Baker

 Of Thee I Sing(Stan Getz & Cool Sounds

 One Note Samba(Jazz Samba

 Pennies From Heaven(Stan Getz And The Oscar Peterson Trio

 Quiet Nights Of Quiet Stars(Stan Getz With Guest Artist Laurindo Almeida)CD追加曲

 Samba Dees Days(Jazz Samba

 Seven Steps To Heaven(Final Concert Recording

 Sippin' At Bells(Pure Getz

 So Danco Samba(Jazz Samba Encore!

 Softly As In A Morning Sunrise(People Time

 The Song Is You(The Song Is You

 Stella By Starlight(Stan Getz Plays

 Stuffy(At Nalen-Live In The Swedish Harlem

 Summertime(Nobody Else But Me

 Tune Up(Poetry /Stan Getz & Albert Dailey

 Very Early(Pure Getz

 Vivo Sonhando(Getz/Gilberto

 The Way You Look Tonight(Stan Getz Plays

 What Am I Here For?(The Peacocks

 Where Or When(Award Winner

 Wrap Your Troubles In Dreams(Stan Getz Quartets

 Yardbird Suite(West Coast Live/Chet Baker & Stan Getz

 Yesterdays(Voyage

 You Stepped Out Of A Dream(Stan Getz Quartets

 それでもマニアは購入すべきですね。私も買ってはみたものの結局一度もこれに沿って吹いてはいません。あ、当然ながらB♭版だけでなくCやE♭もありますよ。

ちなみにこれ以外にもゲッツのトランスクライブとして少なくとも2つ出ていますが、アマゾンで調べるとこのオムニブックも含めてすべてハル・レオナード出版。

 

Stan Getz Omnibook: for B-Flat Instruments: Transcribed Exactly from His Recorded Solos
Stan Getz Omnibook: for B-Flat Instruments: Transcribed Exactly from His Recorded Solos
 

 

Getz At The Gate

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1961年11月26日ライブの発掘音源。いつもはうるさいロイ・ヘインズが割とまともに叩いていて、ヘインズファンには物足りないでしょうけど私は安堵しています。

 

内容はというと、すばらしい好演。ただ、やたらと高速の曲が多いという印象です。ここまで飛ばす曲ばかりで、いったいどういう心境だったのかと思うくらい。数えてみると5曲程度なんだけど、中途半端なミディアムファーストでなくとにかくファーストなので、印象が強いのかも。高速曲は手癖に毒されておらず、まさに絶好調なゲッツを聴くことができます。なぜこんなプレイをできるのか、まったく信じられない。

 「Where Do You Go?」は、なんだかつかみどころのない曲だけど、これが本物。ほかのアルバムに収録されているのは、ゲッツがMCで「Wildwood」を間違って紹介しているやつですね。例の、かなり出回っていろんなCDに収録されている、スコット・ラファロ最後の録音で「Wildwood」が「Where Do You Go?」と記載されていたので、けっこう間違いが流布してしまいました。このアルバム「Getz At The Gate」にはその2曲とも収録されているというのがおもしろい。

 

大切なことを1つ。「Impressions」が収録されているので「ゲッツがあの曲を?」と思って期待していましたが、ピアノトリオによる演奏でした。当初は嫌いだったこの頃のスティーブ・キューンのプレイ、何度か聴いてるうちにブロックコードを多用した特徴的なスタイルが気に入ってきたのですが、この曲での演奏はなぜかげんなりするフレーズだらけなのが残念。

 

ゲッツ・アット・ザ・ゲイト

ゲッツ・アット・ザ・ゲイト

 

 

 

The Benny Goodman Story

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ゲッツが過去に在籍していたベニー・グッドマン・オーケストラ。グッドマンは性格的にはバッドマンだったようで、自分よりスターになっている旧メンバーに対していい気分ではなかったかも。もっとも、「性格的にはバッドマン」はゲッツも同様、意外と気が合ったのかもしれない。

ハリウッドで録音されたこのアルバムは全21曲、うちゲッツ参加は17曲で、そのうちここでは「Bugle Call Rag」「Don't Be That Way」「Slipped Disc」「One O'clock Jump」「Jersey Bounce」「Sometime I'm Happy」と、6曲でゲッツのソロが聴ける。スイングだからソロも短いけど、単なるアンサンブル要員かと期待していなかった私としては想定外だったのでうれしかったです。ちなみにアルバム「West Coast Jazz」で名演を聴かせた「Shine」は、ゲッツのソロがないどころかグッドマンがばーっと吹いて、1分もせずに終わる。ゲッツ自身が「映画のために撮影されたものはほとんど捨てられる」ということで、あえてここでやった曲をそのままハリウッドで録音したのが、あの「West Coast Jazz」です。

不思議なことにゲッツの音色が50年代前半のサウンドに聴こえる。わざわざなのかたまたまなのか、または気のせいなのかわからないけど、このときはブリルハートのマウスピースだったのかなと思う。

ところで注意事項を2つ。まず、同じジャケットでも20曲しか入っていないものがあります。輸入盤で、よく見ると英語で「CDの時間の関係でオリジナルから1曲カットしました」などと書いてある!よりによってそのカットされた曲は、ゲッツのソロが聴ける「Sometime I'm Happy」なんですよ。ふざけています。それからもう1つ、「ベニーグッドマン物語」という同タイトル別ジャケットの、ゲッツが参加していないアルバムもあるので注意。このジャケットを探しましょう。

 

The Benny Goodman Story

The Benny Goodman Story