はっきりいってかなりの駄作だと思う。ゲッツの音色は一般的な普通のストリングスものには合わないのだなあと思う。
いや、ダメな理由はそれだけではない。アレンジがわるい。ジャズではない。ストリングスものでもジャズはジャズ。
最たる理由は選曲だ。ノーマン・グランツはやはりジャムセッションのプロデュースが専門なのだなあとつくづく思う。甘ったるくてどうしようもない曲ばかりが延々と続く。弦をかぶせてゲッツにリフを吹かせる「early autumn」なんて、いったい何を考えているのか。ストリングスをバックに吹く「round midnight」は、曲を表面的にしか理解していない証拠。だから、普通のバラードなのかと思って演奏するとこんなふうに自滅するのだ。さらに「whisper not」をストリングスでやることがもう意味不明。
ラストは気が滅入る「goodbye」「nature boy」が続くという展開。ゲッツは全編がんばっているんだけど、毎回聴くたびに聴かなきゃよかったと思うアルバム。それでも大嫌いな「the thrill is gone」が、ここではそんなにわるくない。
ところで、このアルバムはジャケットが2種類あるけどどちらがオリジナルなのでしょうね。もう1つのジャケットはこちら。うう、コンセプトがわからない・・・
クール・ヴェルヴェット +6(Cool Velvet+6) (MEG-CD)
- アーティスト: Stan Getz with strings(スタン・ゲッツ・ウィズ・ストリングス)
- 出版社/メーカー: 株式会社ミュージックグリッド
- 発売日: 2013/05/15
- メディア: CD
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