スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

Final Concert Recording

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映像作品もでている2枚組CDです。DVDと編集状態もまったく同じ音源だけど、やはりCDで聴いたほうがゲッツの音楽に集中できる。あんなシャツ着てるとは想像していなかったし・・・youtubeに上がっている、ショートパンツで演奏しているのなんて、ホント見なければよかったw

閑話休題、アルバムタイトルで「ファイナル」とはいうもののすでに本当のラストレコーディングの「People Time」は世に出ているわけで、これは「カルテットとしては」ファイナル、という意味でつけられたタイトルです。もっともこのアルバム発表後、これよりさらに後日付の、レギュラーではないけどカルテットによる発掘音源「Not So Long Ago」が発売されたけど。だから「レギュラーカルテットとしてはファイナル」と考えればいいのかな。いや、でもベースのアレックス・ブレイクもドラムのテリ・リン・キャリントンもツアーメンバーではあるもののレギュラーでなくツアー限りのサポートメンバーでしょう(違う?)、そうすると「このメンバーではファイナル」、でもそれを言うなら多くのライブがファイナルになるわけで、これはタイトルをつけたプロデューサーの勇み足ですね。

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(なんてことを当初言っていましたが、その後、CD-R盤ではありながらも「Marciac Jazz Festival 1990」が発掘されました。このメンバーでもファイナルではなかった。)

 

それにしても、こんな名盤めったにないです。否定的な人もいるようですけど、アルバム「Apasionado」からのフュージョンタッチの数曲は大好き。よくもあのアルバムの曲をライブでやる気になってくれました。特に「Espagnira」はスタジオ盤よりエキサイティング。選曲は、その他はほぼこの頃のゲッツのレギュラーカルテットのレパートリーから。ほんの少しだけ装飾が付いた 「Soul Eyes」「Blood Count」などもおもしろいかも。「On A Slow Boat To China」の4小節交換が微妙でラストテーマ直前はゲッツが「えい、や」で入っている気がするのは私だけでしょうか。

それから、珍しく「Seven Steps To  Heaven」を演奏している。似合わないというか意外性という点では、全録音の中でもこの曲がトップにくるかも(いや、「Marrakesh Express」収録曲の方が上かw)。それでもインタルードからソロブレイクのところがいかにもゲッツらしく、ゲッツにばっちりフィットしている。ここを聴いただけで並みのミュージシャンと違うのがよくわかる。

後半ステージ、アンコールの前にはこの頃の定番「What Is This Thing Called Love?」を演奏している。テリ・リン・キャリントンのソロからケニー・バロンによるイントロに移行する瞬間は、ほかのどのテイクよりもかっこいい。作曲者のコール・ポーターには申し訳ないけど、「What Is This Thing Called Love?」にはもったいないほどのかっこいい導入。

しかし、アンコールを含めて全14曲中3曲がバラード。バランスとしてわるいわけではないけど、アップテンポばかりだった50年代のゲッツのライブレパートリーとは全然違うね。

 

Final Concert Recording

Final Concert Recording