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スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

Newport in New York '72

70年代

http://www.parisjazzcorner.com/en/pochs_g/058132.jpg

いろんなジャケットがあるようですが、私の持っているバージョンは下のこれです。

 Newport in New York 1972

72年のニューポートジャズフェスティバルの録音で、CD3枚組。もとはLP5枚だったのかな(6枚?)。とにかくすごいメンバー。ゲッツのほか、ディジー・ガレスピークラーク・テリー、ハリー・エディソン、ソニー・スティットジェリー・マリガンデクスター・ゴードンズート・シムズローランド・カークイリノイ・ジャケーミルト・ジャクソンハービー・ハンコック、ジャキ・バイアード、ジミー・スミス、チャールス・ミンガス、アート・ブレイキーマックス・ローチエルビン・ジョーンズ、トニー・ウイリアムス、ゲイリー・バートンナット・アダレイケニー・バレルB.B.キングなどなど。当然全員が一堂に会して共演しているわけではないけど。ヤンキースタジアムでの演奏もあり、この頃はそんなに人が集まったんだなあと驚きます。ちなみにこのアルバムの最大の聴きどころはやはりローランド・カークの「Impressions」です。

 

ゲッツは「Bags' groove」と「A night in aTunisia」に参加。「Bags' groove」がどうも淡々とした演奏に聴こえるのは私だけでしょうか。ミルト・ジャクソンもなんだか「らしくない」プレイに聴こえます。

「A night in aTunisia」でのゲッツは、「West coast jazz」とは違うアプローチだなと思っていたら、その「West coast jazz」収録のテイクと同じフレーズを8小節も吹いて、その後は攻め手を欠いたようなフレーズに終始してしまう。とはいえ絶対的に劣っているというわけではなく、個人的には好きな演奏です。

The Golden Years, Vol. 1 1952-1958

50年代

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ほとんどラジオ音源で、音質もわるい。アナウンスもたっぷり入っている。だからこそ、秋の夜長なんかに小さい音量で流しているといいムードになるかもしれない。

1曲目のデューク・エリントン楽団との共演「 I Got It Bad And That Ain't Good」は、ジョニー・ホッジスによる演奏とは全然違い、すごく新鮮な感じ。

 

「Jordu」は珍しくゲッツのダメなプレイが聴ける。4小節単位でフレーズが切れてしまい、素人みたいな(いえ、うまいんですけど)構成になっている。

 

ラストの「Fontessa」は、ジャズ批評には「タイトルわからないけどFontessaではない」という記載がある。いや、そうは言いきれないでしょ。確かにMJQの同名曲とは違うけど、これも同じタイトルかもしれない。ドナルド・バードとの共演は珍しい。

 

The best of two worlds

70年代

ゲッツ・ジルベルト・アゲイン

60年代の共演盤よりパッとしない印象があるかもしれないけど、ポップスとしての完成度はこちらも負けていない。変にストイックなものを求める必要はない。ボサノヴァのスタンダード曲は収録されていないけど、名盤だ。

 

1曲目、いきなり英語詞でエロイーザ・ブアルキのみの歌、ジョアン・ジルベルト不参加。いい意味で強固な意志を感じる。実はこのアルバム、ゲッツ自身によるプロデュースらしい。ジョアンとの共演には何か思うところがあったのか、再びの大ヒットをねらったのか。いずれにしても積極的に音楽を作っているということが伝わってくる。3曲目では自身のソロを二重録音。これは何の意図があったのかわからないけど・・・

「自分はボサノヴァを理解している」というアピール評論家や似非ボサノヴァファン、ボサノヴァ以外理解できない無多様性音楽ファン初心者は「ゲッツの大仰なブロウがジョアンの音楽を台無しにしている」などと訳知り顔で評論しているアルバムだけど、何を言ってるのか。ゲッツが自分のアルバムを作った、そこにジョアンを参加させた、というものだ。ジョアンの音楽がどうのなんてナンセンスだし、ボサノヴァという物差しで測る必要なんてない。ゲッツのジャズという物差しで測ればいい。

 

選曲は当時のジョアンのレパートリー中心。完全に別々にスタジオ入りして多重録音で仕上げたんでしょうね、ジャケットと裏ジャケットを見ればそれが伝わってくる。まだジョアンは「自分だったら何をやっても称えられる」ということに気づいていないから、おかしな尺の伸び縮みをしていない(「Retrato em Branco e Preto」ではやっていて、聴いていて気持ちが悪い)。翌年のライブ盤ではすでにその兆候がある。

 

それにしても多重録音としてもゲッツの伴奏部分なんかよくやったなあ、と思っていたら、ディスコグラフィーにはオスカル・カストロ・ネヴィスの名前も。切り貼りでネヴィスによるギターを付け加えた可能性はあるね。ヴィセンテ・アミーゴのライブで、ギタリストが入れ替わってもけっこう気づかないということを体感したことがあります。

ゲッツ・ジルベルト・アゲイン

ゲッツ・ジルベルト・アゲイン