スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

Stan Getz at Large

At Large

冒頭の「Night and day」が始まった瞬間、そうそう、この曲はこのテンポもよく似合う、とうれしくなる。と思いきや、8小節目のコードはなんだ!たまにこのリハモを耳にするけど、ホントにやめてほしい。曲の雰囲気がこれだけでがらっと変わる。晩年のライブではこんなコードではなく原曲に忠実だった。

 

それにしてもこのアルバムの不思議さはなんだろう。いきなり2枚組、ほとんどミディアムスロー以下、スローもかなり多く、ディスク1のB面なんて3曲連続。それから「I like to recognize the tune」のコーラス、何よりゲッツ名義の曲が4つも。ヴァーヴ盤にはそのようにクレジットされている。

でもみなさん、これホントにゲッツの作曲だと思います?聴けるのはこの時期の北欧録音だけでしょ。他人の曲なんじゃないかな。だいいち、まったく作曲をしなかったゲッツがこの時期だけいきなり4曲も、なんて考えられない。私は「Cafe Montmartre blues」も他人の曲だと思います。50年代や80年代のあれらも同様。

ちなみに他のアルバムには、「Amour」は「Ah-moore」でアル・コーンの作曲、「Just a child」はジョニー・マンデルの作曲とクレジットされている。多分それが正しいのだろう。

 

とにかくゆったりしていて、ファンは音色をしっかり楽しめるからいいんだけど、特にゲッツを好きではないという人はこのリラックスしすぎたアルバムは途中で飽きるでしょう。これは分けて1枚ずつ発売した方がよかったのかもしれない。買う方は2枚組の方が安いからいいんだけど。

アット・ラージ

アット・ラージ

 

Polish Radio Jazz Archives 01

Polish Radio Jazz Archives 01

ホントに、このアルバムが発売されたころは同じく1960年のライブがたくさん発掘されていた。「またか」と思いながらも、どれもこれも抜群の内容。もしかしてゲッツの絶頂期は1960年なんじゃないかと思うほど。

 

このアルバムは曲名を眺めていると「ワルシャワ5」の全貌が明らかになるのでは、と思いきや、「Out Of Nowhere」と「The Folks Who Live On The Hill」は別の日のライブで、ワルシャワからは3曲しか重複していない。聴き比べると全く違います。さすがゲッツ、アプローチが出だしから全然違う。

 

また、珍しく「daahoud」をやっているのか!と思って聴くと、毎度おなじみの「jordu」で、がっくり来る。確かに冒頭の上がっていくメロディは似ているけどさあ。すごい勘違いだ。

「all the things you are」ではピアノがやけに調子悪い。イントロも拙く、ゲッツが入ってくるくだりはアレンジではなく聴いてられなかったからではないかとも思う。ベースソロのバッキングもハラハラ。とはいえ、全体的には、最初にいったとおりすごく内容が充実している名盤。こういう録音がまだたくさん欧州のラジオ局に眠っているのではないかな。

Polish Radio Jazz Archives 01

Polish Radio Jazz Archives 01

 

The Be Bop Era

The Be Bop Era

ビバップの記録が収録されていて、ゲッツの録音ということを抜きにしても楽しめるアルバム、ジャズファンなら。面白さよりも貴重な記録という意義の方が大きいから。

1950年のメトロノームオールスターズの録音2曲でゲッツが聴かれる。マックス・ローチレニー・トリスターノとの共演となっている。ディスコグラフィーにはディジー・ガレスピーの名前もあるけど、ソロどころかアンサンブルからもトランペットの音色が聴こえない。

 

リー・コニッツとサージ・チャロフとの、アルト、テナー、バリトンという編成はソロ回しで聴くと面白い。トリスターノのピアノはいかにも彼らしく、すぐにわかる。ゲッツに関していうなら、悪くはないけどやはり記録として貴重ですね、という程度の印象かな。