スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

Stan Getz At The Shrine

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このジャケットでは、マウスピースがオットーリンクのメタルに見えるんだけど、どいうかな。デビッド・ストーン・マーチンによる下のオリジナルジャケットより、上の方が好きです。

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ノーグランと契約をしていたゲッツですが、興行主ノーマン・グランツによるコンサートツアーに初めて参加したのが、このときの録音。グランツはそれまでJATPのフォーマットでジャムセッションをフィーチャーしていましたが、このときのツアーはそれぞれのレギュラーバンドでの演奏に限り、セッションはなかったそうです。

ちなみにツアーに参加していたのはデューク・エリントン・オーケストラ、デイブ・ブルーベック・カルテット、ジェリー・マリガン・カルテットだったそうで、もしジャムセッションが行われたなら、ジョニー・ホッジスとポール・デズモンドのバトルとか、この2人のアルトとゲッツの共演とか、ハリー・カーネイとジェリー・マリガンの共演とかがあったかもしれない。いつもいつものJATPには飽きも感じますが、このときはなぜジャムセッションにしなかったんだと残念な気持ちです。1954年秋のジェリー・マリガン・カルテットは、ギリギリでチェット・ベイカーが抜けている頃かな?


ノりまくっていて、名曲ぞろいのこのアルバム。ボブ・プルックマイヤーを擁したクインテットで、このアルバムは珍しく「2管で良かった」と思える。

当日のライブ録音がレコード1.5枚分しかなく、どれも落とせなかったので翌日スタジオ録音をして曲を追加、2枚分にして発売したそうです。どれも落とせないほどの内容、それは冒頭の「Flamingo」を聴けば納得できるでしょう。

あまりにも素晴らしい演奏で、大嫌いな「Lover Man」が名曲に聴こえてしまう。というか、70年代にゲッツがレパートリーとしていたから、いつの間にか嫌いでなくなってしまいました。過度にロマンティックにならず、淡々と2管が絡みながら進んでいくのが特徴のテイクです。

このあと、特に欧州ツアーなどでも頻繁に演奏した「Pernod」は無伴奏によるイントロの2管同時ソロがカッコ良く、やはりここでの演奏が一番。ミディアムテンポの曲もボブ・ブルックマイヤーとの2管アレンジが高度な完成度を実現し、超絶名演となりました。この曲は名曲ではありますが、2管でこそ本当の魅力を発揮します。

拍手の中で始まる「I'll Remember April」でのからみも絶妙、ブルックマイヤーによる名曲「Open County」でその芸術はまさに「完成」するといっても良い。ライブは、一旦アップテンポの「It Don't Mean A Thing」で幕を降ろします。

翌日吹き込んだスタジオ録音も単なる数合わせではなく、良い演奏です。ホントこの日とその前後は調子が良かったんだね。ラスト2曲「We'll Be Together Again」と「Feather Merchant」がそのスタジオ録音。「We'll Be Together Again」は、トロンボーンとの2管ということもあるけど、1954年の頃のバラードってちょっとハードバップ前の雰囲気もあってバラードの色合いが違うじゃないですか、それがすごく心地よい。まあ、この時代にすでにハードバップ的な美を追求するバラードを演奏していたのがマイルス・デイヴィスなわけですけど。

この日はさらにもう1曲「Flamingo」を録音していますが、ライブ音源の1曲目と同曲ですね。アルバムのラストに収録されてたら、同じ曲のライブヴァージョンで始まりスタジオヴァージョンで終わるというおもしろいかたちになっていたはずですが、その「Flamingo」はアルバム「Stan Getz & Cool Sounds 」に収録されています・・・などと言っていたら、いま入手できるCDには追加収録されているんですね!そのCDの1曲目とラストがどちらも「Flamingo」でしたw

ゲッツはノーグラン・ヴァーヴ移籍後にホットな演奏になっていくけど、その過程を記録したアルバムともいえる。微妙にクールなのにやっぱりホット。ブルックマイヤーはこのあとバンドを抜けて、代わりにトランペットのトニー・フルセラが加入しますが・・・

 

ちなみに、途中のMCで聴衆とやり取りをして会場の笑いを誘っているけど、英語がわからないから何がおもしろいのかわかりません。

 

 

 

At The Shrine + 1

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