スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

Getz Au Go Go

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数曲ケニー・バレルが参加するも、基本的にはゲイリー・バートン入りカルテットでの演奏。それをバックにアストラッド・ジルベルトが歌っています。

アストラッドの優しいレパートリーは魅力的で、特に原曲のイメージをまったく変えた「It Might As Well Be In Spring」は秀逸。ジャズのバラードを倍テンのボサノヴァにするというパターンはこのあたりから始まったのかもしれない。

タイトル間違い「Eu E Você」はご愛嬌、ゲッツのソロの入り方がかっこいい。ホベルト・メネスカウによる「The Telephone Song」(Telefone)はジャズで演奏するのは珍しい。英語とポルトガル語を混ぜる「One Note Samba」(Samba De Uma Notta Só)など、アストラッドのライブとしても楽しめます。

このラインナップで「Summertime」「Here's That Rainy Day」はどうも合わない、というか浮いているというか。

ほかのライブ盤では普通にソロを回していた「Six-Nix-Pix-Flix」は、ここではメンバー紹介のバックで演奏するだけ。これが当時のバンドのテーマ曲だったということなのでしょう。

ところで「疑似ライブ」疑惑があるこのアルバム、確かにある曲では拍手の入り方が不自然だし、冒頭「Corcovado」だけ誰か不明なピアニストが参加しています。ケニー・バレルとバートンが出たり入ったりしているのに当初発表されていた録音年月日がジャスト8月19日のみだったこともそのような疑惑を呼んだのか。しかし信憑性もあり、1964年はゲッツとアストラッドのツアーが好評でヴァーヴとしてはライブアルバムを作りたかったが音源が不足していたか、さらにはヒットしたこの曲を別で録音してアルバムに収録させることで 売上増を狙ったということも考えられますが、どうなんでしょうね。ライブ録音におけるアストラッドはあまり出来がいいものがないので、ここでの歌唱がそんなに悪くもないことを考えると確かにその疑惑は深まります。

 

Getz Au Go-Go (Reis) (Rstr) (Dig)

Getz Au Go-Go (Reis) (Rstr) (Dig)