スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

「'Round Midnight」

(ここで言っていることはすべて「私の知る限り」の話なので、間違ってたらすみません)

ウディー・ハーマン楽団で有名な「'Round Midnight」、ちょっと数えてみたら、このブログを書いている時点でわかるかぎり、ゲッツは10テイクの録音を残しています。この曲はもっとたくさん残しているのかなと思っていましたが。「Poetry」に収録されているのはアルバート・デイリーのソロです。

初期は1952年のジミー・レイニー入りクインテット時代の演奏で、この頃はテーマをギターが演奏するんですね。欧州時代からゲッツがテーマを吹くようになったようで、1958年「'Round Midnight In Paris」1959年の「Live In Paris 1959」ではゲッツがテーマを吹いています。その後、1960年のストリングスもの「Cool Velvet」を経て、ルネ・トーマスとのオルガン入りカルテット時代にもいくつか録音を残します。エンディングでロックっぽくなるのがおもしろい。

1970年のスウェーデンでの録音は共演メンバーが散漫で全体的にボロボロですが、1978年の方は同じスウェーデンでもいい内容です。そして1990年「Not So Long Ago」、この曲におけるゲッツ最後の演奏です。健康状態が悪い中、枯れた味わいがこれまでで一番しっとりしていて曲想にマッチしたプレイになっているような気がします。