スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

「Early Autumn」

(ここで言っていることはすべて「私の知る限り」の話なので、間違ってたらすみません)

ウディー・ハーマン楽団で有名な「Early Autumn」、ちょっと数えてみたら、このブログを書いている時点でわかるかぎり、ゲッツは8テイクの録音を残しています。うち、名義としてはウディー・ハーマン楽団で4つ、臨時の「スタン・ゲッツ・オーケストラ」で1つ、ヴァーヴの企画で2つ、それとジャズフェスでのオールスターで1つ。

半音が多いメロディはまさに「初秋」という感じの印象深い曲。ウディー・ハーマン楽団の演奏は時代が下るにつれてだんだん雑になっていくような気がします。ゲッツの客演としてのソロも同様に雑になっているように思えます。ゲッツのソロについて、油井正一先生が「あれはラルフ・バーンズによる書き譜か」と質問したエピソードがジャズ批評に書かれていました。確かに、多くのテイクでソロの出だしが同じだったりしますし。それを言ったらリー・モーガンの「Moanin'」も同じですが。

個人的には「Reflections」のヴァージョンが興味深い。最初のブリッジも含めて全編テーマメロディをゲッツが吹くのが初演との違いですが、さらにオーケストラでなくコーラス(歌詞付き)が重なるというちょっとキワモノ的なテイク。それでも秋の趣がある、素晴らしい演奏だと思います。

 

そして、ストリングスとの共演ヴァージョンもあります。「Cool Velvet」収録。こっちはソロが全然初演と違っていて、変にオールドファンに忖度していないのがいい。