スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

「The Dolphin」

(ここで言っていることはすべて「私の知る限り」の話なので、間違ってたらすみません)

ルイス・エサによる超名曲「The Dolphin」、ちょっと数えてみたら、このブログを書いている時点でわかるかぎり、ゲッツは3テイクの録音を残しています。DVD作品での録音は除外します。ちなみにエサによる初演版のタイトルは定冠詞がなく「Dolphin」です。

やはり80年代ゲッツの幕開けとなるアルバムタイトルにもなった「The Dolphin」に収録されているヴァージョンが最高。たまにゲッツがノリにノッて、延々とソロを繰り返すというときがありますが、ここでの演奏はまさにそうなっています。

ゲッツのリーダー作だけを探していると、あと2テイクはみつかりません。ではどこにあるのか。実はウディー・ハーマン楽団における客演が2つあるのです。まずは「Live At Newport 1966 / Hollywood Bowl 1986」。1986年のライブで、なぜかタイトルが「El Delfin」とスペイン語になっているのが笑えます。とはいえエサの初演版自体がA&Mでの録音なので英語タイトル。アメリカでは英語以外の言語はけっこう雑に扱われるので、「ブラジルって南米の国だよね。じゃあスペイン語でしょ」という感じで変えられたのか?

それから同じくウディー・ハーマン楽団「Live At The Concord Jazz Festival」、これも1986年ですね。

ハーマン楽団での演奏は、ゲッツ自体があまりいい演奏をしていない、それは繊細な曲想であるはずなのにビッグバンドでゴージャスなサウンドにしているからだと思います。アメリカナイズが失敗した好例(?)です。