スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

「It don't Mean A Thing」

(ここで言っていることはすべて「私の知る限り」の話なので、間違ってたらすみません)

邦題「スイングしなけりゃ意味がない」でおなじみの「It don't Mean A Thing」、ちょっと数えてみたら、このブログを書いている時点でわかるかぎり、ゲッツは歌伴を含めて6テイクの録音を残しています。動画は追いきれないのでノーカウント。

そのうち4つは1953年~1954年の録音。「Interpretations By The Stan Getz Quintet #3」とその別テイク、「Diz & Getz」、「Stan Getz At The Shrine」です。どれもとんでもないテンポですが、おそらく最も速いのが「Diz & Getz」。「Diz & Getz」以外の3テイクはボブ・ブルックマイヤーとのクインテット

どれもこれもとにかく速い。イントロとテーマを聴くとなんとなく落ち着いたテンポなのかと勘違いするのですが、ソロに入って八分音符の羅列を聴くとその速さに気づきます。

残り2つはどちらも1980年代、そして歌伴。まずダイアン・シューアの「Schuur Thing 」。サンバ風のイントロで始まる、少しゆったりとした演奏になっています。歌伴ながら思い切りゲッツをフィーチャーしています。それからヘレン・メリルの「Just Friends 」。こちらは普通のスイングですが、これもまた速い。1989年なのでゲッツはわりと速い演奏を避けていた時期だと思います。こちらもアップテンポだからこそゲッツをフィーチャーしていて、歌がでしゃばっていません(ボーカルがリーダーだけど)。

この曲、デューク・エリントン楽団の録音ではまったく違うメロディなのに(あの3人コーラスのやつです)、なぜこのメロディで全ミュージシャンに認識されたのでしょうね。また、エリントン楽団の演奏はミディアムテンポなのに、なぜかすごいスピードで演奏するのがお約束になってしまった。