スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

「On Green Dolphin Street」

(ここで言っていることはすべて「私の知る限り」の話なので、間違ってたらすみません)

ジャズスタンダードの定番「On Green Dolphin Street」、ちょっと数えてみたら、このブログを書いている時点でわかるかぎり、ゲッツは4テイクの録音を残しています。基本的には1960年代、ゲイリー・バートンロイ・ヘインズがいたころのレパートリーですね。どうしてもドラムスにストレスがたまる。それでもゲッツによるイントロが印象的なんですよね。「Two Sides Of Stan Getz」「Stan Getz Quartet In Paris」はロイ・ヘインズ以外はいいです。「Live At Sir Morgan's Cove 1973」は録音バランスが悪いのが難点ですが、この時代になるとゲッツによるイントロではなくリズムセクションがイントロを演奏しています。

しかし、やはり最高すぎるのが「Serenity」。ゲッツが当初自分で聴いてボツにしたという演奏は、「ゲッツ、耄碌したか?」と思うほどのすばらしい出来栄え。モード的というかスケール的なアプローチも多々見られ、これ以外にもそういうのはあるんですがゲッツが一見昔と変わらないように見えて実は常にジャズのいろいろな考え方を研究していることが伺えます。エンディングにおけるオルタネイト・フィンガリングも印象的。テーマ部分における崩し方のセンスも非常に参考になる、ベストなテイクです。録音がきれいでルーファス・リードの電気音ベースがぴったりはまっているのもいい。