個人的に「え、ゲッツがこんな曲演奏しているの?」というようなものを取り上げます。「ゲッツと言えばクールジャズの人」と考えて1950年代の録音しか聴いたことがないという人にとっては「La Fiesta」ですら意外な選曲に思えるかもしれませんが。アラン・ブロードベントの曲とか意外と言えば意外ですけど「あの曲を?」というほど曲自体が知られていないので、そういうのは除外します。また、歌伴は歌手による選曲だと思うのでこれも除外。とか言って、プロデューサーによる選曲のものはありとします。
まず、「Live At Sir Morgan's Cove 1973」における「Panonica」。モンクの曲は、「'Round Midnight」以外すべて意外な選曲でしょう。それからバップで「Poetry」収録の「Comfirmation」と「Tune Up」。特に後者は、これをピアノとのデュオでやるか~と思いますね。
「People Time: The Complete Recording」では「Bouncing With Bud」「First Song」。
原型をとどめていないボブ・ディランの「Blowin' In The Wind」は「Reflections」に収録。同じく原型をとどめない、「風と共に去りぬ」の「Tara's Theme」が「What The World Needs Now Is Love」に収録。
おもしろいと言えば、絶対的な駄盤として高く(?)評価されている「Marrakesh Express」には、サイモン&ガーファンクル「Cecilia」、カーペンターズでおなじみの「I'll Never Fall In Love Again」、ザ・ビートルズ「Because」、バート・バカラックの代表作「Raindrops Keep Falling On My Head」、さらに映画音楽「Love Theme From Romeo & Juliet」ととんでもないラインナップが。
割と意外だなと思うのが、「Jazz At The Santa Monica Civic '72」における「In A Mellow Tone」。こういうゴキゲンなエリントンナンバーってあまりやってこなかったと思うので。それから、録音数は少ないわけではないのですが、ミルトン・ナシメントの「Canção Do Sol」やウェイン・ショーターの「Infant Eyes」も、よく考えると意外な選曲です。どちらも「Live At Montmartre」に収録。
ほかにも数えだすときりがありませんが、名演でないとしてもこういう意外性を楽しむというのもいいなと思いました。