スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

「There Will Never Be Another You」

(ここで言っていることはすべて「私の知る限り」の話なので、間違ってたらすみません)

スタンダード「There Will Never Be Another You」微妙に間違ってる気がする邦題「あなたなしには」、ちょっと数えてみたら、このブログを書いている時点でわかるかぎり、ゲッツは5テイクの録音を残しています。スタンダード中のスタンダードですが、割と録音は少ないです。いえ、これくらいが普通かな。ツアーのレパートリーになっていなければ。「Live From 1952 To 1955」や「L.A.Get Together」に収録されているのは、ゲッツ不参加のピアノトリオヴァージョンです。

1952年のカーネギーホールの録音1953年ボストンの録音がリラックスしていてすごくいい。一方、ミディアムアップで長々とソロを取っているのが「The Steamer」でのテイク。これはすごい。フレーズも、「なぜここでこの音が?」という箇所がけっこうあって、やはりセンスがものを言うなあとつくづく思う。特に4小節目のG7の部分なんかいろんなアプローチをしている。

結構好きなのが1977年「Affinity」。ホームパーティでの演奏で、録音が若干エアチェックっぽいのがまたいい。かなり好き勝手に吹いていて、私の好きな1980年代以降の音色とアプローチにも近い。ベースソロが終わってからも少しソロを混ぜて、エンディングテーマは16小節だけ。

ところで「There Will Never Be Another You」と同じコード進行の「Split Kick」はどうでしょうか。「Split Kick」は3テイク残しています。「West Coast Jazz」にCD追加収録されているものを聴くと13度の音を多用しており、ゲッツはコード進行が同じでもテーマによってアプローチをかなり変えていることがわかります。