スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

「How About You」

(ここで言っていることはすべて「私の知る限り」の話なので、間違ってたらすみません)

スタンダード曲「How About You」、ちょっと数えてみたら、このブログを書いている時点でわかるかぎり、ゲッツは4テイクの録音を残しています。詳しい方はご存じのとおり、1956年「The Steamer」における、不完全テイクも含めた3テイクと、1981年のキーストンコーナーのライブです。


この曲はマット・デニスの「We Blong Together」のようにアドリブで歌詞を変える曲として知られていますが、まあ歌詞は関係ないとして、ゲッツの演奏はあまりにもすばらしすぎて、なぜもっと録音を残してくれなかったのかと思うほどです。ゲッツはスタンダードばかりを演奏している、という印象を持っている人は少なくないと思いますが、実はそうでもなく、公式のスタジオ録音はさほど多くないですし、発掘も含めたライブ録音はサイドマンのオリジナルを中心に演奏しているので、まともなスタンダード録音ってそんなに多くないのです。

で、この「How About You」、ぜひ1981年の方は聴いていただきたい。1950年代にはあまりいい演奏をしていなかったモンティ・バドウィックがいい味を出しています。ゲッツのソロにマッチしたバッキング、このままレギュラーメンバーになってもよかったのではないかと思うプレイ。ゲッツのテーマの歌い方からソロフレーズから、とにかく完璧で、たまにいる聴かず嫌い「ゲッツは50年代だけ」という人にはぜひ聴かせたい。ヴィクター・ルイスのフィルも絶妙。4小節交換でも相変わらずゲッツにぴったりなソロ交換をしています。私は「ゲッツは1980年以降が最高」という立場ですが、その1980年以降のプレイのベストを選ぶなら、この「How About You」は必ず入ります。今回はたくさん録音している曲の話ではないですが、大好きなのでどうしても言いたかった。みなさーん、聴いてくださーい。