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ゲッツのボサノヴァとは 2

前回言い忘れたことがあります。

Jazz Samba Encore!」のルイス・ボンファとか「Getz/Almeida」のローリンド・アルメイダとか、ボサノヴァのミュージシャンではないのになぜこういうコラボアルバムが作られたのでしょうか。


ルイス・ボンファもローリンド・アルメイダもブラジルを代表する超名手、大物ではあります。しかし、ボサノヴァミュージシャンではないんですよね。私だったらまずカルロス・リラとホベルト・メネスカウを押さえますし、さらにバーデン・パウエルを押さえますが。

まだ情報がまったくなく入手困難の時代、クリード・テイラーが「ブラジルの有名なギタリスト」というリクエストを出したらボンファやアルメイダが呼ばれたのでしょうか。それとも、本国で(局地的な話ですが)リラやメネスカウが人気でスケジュールを確保できず、前の世代の人で妥協するしかなかったのでしょうか。もしかしてリラのフィリップスとの契約がネックだったのでしょうか。

でもリラはポール・ウインターとのアルバムをコロンビアかどこかで録音してましたよね。あ、これは1964年録音だからゲッツがボサノヴァから離れた後か。

いずれにせよ、ボサノヴァのヒット(正確にはボサノヴァではなかったけど)でそのあとブラジル人を招聘してアルバムを作るにあたり、ジョアン・ジルベルトに声をかけるのは当たりだったのですが、それを挟んでボンファやアルメイダというのはちょっと違うよね、と思うんです。

なんて、今だからそんなこと言っていますけど、ボンファを呼んだからこそ「Um Abraço No Getz」という超名曲ができたわけですし、「Getz/Almeida」における「Outra Vez」はアルメイダ参加でなければあの名演にはならなかったと思います。結果論的には100点満点のところ200点なんですよね。