スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

巨星、墜つ

ファンなら当然覚えている、ゲッツの命日は1991年6月6日。

この年の前後は、ポピュラー音楽界の偉大なミュージシャンが相次いで亡くなりました。

 

スタン・ゲッツ 1991年

マイルス・デイヴィス 1991年

アート・ブレイキー 1990年

アストル・ピアソラ 1992年

アントニオ・カルロス・ジョビン 1994年

 

など。ほかにもこの辺りで亡くなっている巨星がいると思いますが、いまふと思いつく人を挙げてみました。

ゲッツの死去は本当にショックでした・・・と言える人は、ある意味うらやましい。私がジャズを聴き始めたのがゲッツが亡くなってからだったので。リアルタイムで「People Time」を聴いて(確かアルバム発表は亡くなる前だったはず)いた人は、相当にショックだったのだと思います。そして追い打ちをかけるようにマイルスの死去。前年のブレイキーの死去から、ジャズの大きな世代交代がいよいよ容赦なくやってくるという印象だったでしょう。

 

思えば「若造」だったウィントン・マルサリスも今では還暦を過ぎていますが、ベテランのジャズファンは今でも「若造のウィントンは」という言い方をしますね。

それにしてもゲッツにはもっと生きていてほしかった。生演奏を聴きたかったです。64歳、いま周りを見渡せば60代なんて全然若いですよね。そしてラストレコーディング「People Time」を聴いても、指は速く動くし歌心とイマジネーションは20代の頃よりも断然優れていて、まだまだやれたと思います。他のところでも言ったように、私はゲッツのどの演奏も好きですが特に80年代以降が好きなので、もっともっと演奏してほしかった。貫いてきた「サイドメンのオリジナル曲」という路線もいいですけど、「People Time」で聴かせたスタンダードの決定的名演をもっともっと増やしてほしかったです。「People Time」に収録されているスタンダード曲の多くが、ジャズ史上の決定版的演奏になっていますよね、すごく残念。

ということで、まったく結論もオチもない話でしたが、ゲッツにはもっとたくさん演奏を残してほしかった、という話でした。