おそらくゲッツの音源でもっとも海賊盤が多いのが、このライブ音源。ゲッツのファンは曲名を見ればすぐにピンとくる。ちなみに2番目に多いのがワルシャワの録音の5曲ね。
チャック・ローブを入れてフュージョン色を強めているんだけど、ローブのソロはフレーズが続かずストレスがたまる。アンディ・ラヴァーンはメリハリがないプレイだけど、前年の録音よりはずっと良くなった。ベースがブライアン・ブロンバーグというのが、けっこうレアかもしれない。
ラヴァーンの曲はあいかわらず盛り上がりそうで盛り上がらない。ゲッツも苦労している。タイトル曲のエンディングでいきなりフリーキーになるのはおもしろいね。
「Autumn Leaves」のリハモは悪くはないけど、ゲッツにはそぐわない。リハモはビル・エヴァンスのようにさりげなくやるのがいいのであり、解体再構築のようなリハモは諸刃の剣ともいえる。
このライブ、同じステージらしいんだけどこの後メンバーを入れ替えてジャムセッションみたいな感じになる。こっちはこっちでわるくないけど、ゲイル・モランがいたりフルートとのデュオがあったりジョー・ファレルを入れてブルースを演奏したりと節操がない。それでもゲッツのフュージョンは大好きなので、ついつい聴いてしまうアルバム。
Empty Shells (The Complete Cannes Concert)
- アーティスト: Stan Getz,Chuck Loeb,Andy LaVerne,Brian Bromberg,Victor Jones
- 出版社/メーカー: Universe
- 発売日: 2003/06/03
- メディア: CD
- この商品を含むブログを見る