ジャケットはきれいでまるで発掘モノでなくオリジナルアルバムのような色どりですが、海賊盤のエアチェックなのでしょう、録音はゲッツとジョアン・ジルベルトだけ大きくてあとは目立たない。サーッというノイズも気になるところ。前年のスタジオ盤「The Best Of Two Worlds」も録音バランスは悪かったけど。まあ、ジョアン・ブラッキーンはほとんど弾いていないからいいのかな、ステージにいてもかなりつまらなかったと思う。
気のせいかもしれないけど、聴衆にもあまりウケていないようで、拍手がまばらに聴こえるような。ゲッツが参加しない曲が終わってもあまり拍手がなく、どちらかというと聴衆はゲッツを聴きに来ていたように思える。ま、ビル・エヴァンスやジョン・コルトレーンのヴィレッジ・ヴァンガードライブも拍手がかなり少ないですけどね。
収録曲は半分以上がゲッツが参加していないテイク。ゲッツ&ジョアンでなく、ジョアンのステージの歌伴にゲッツが参加しているという感じ。本当は違いますけど。「The Best Of Two Worlds」にゲッツの歌伴付きで収録されていた曲も今回はジョアンだけだったり。
ジョアンの、例の尺を変えるスタイルがこの頃にはかなり出てきていて、歌を聴いていると不快になる。1960年代までは良かったのに。確かにあそこまで歌とギターがバラバラに動くのはすごいけど、聴いていて楽しくない。ストレスがたまります。私が後年のジョアンを聴かなくなった理由はこれです。
ゲッツはジョアンとやるだけあって、相変わらずジョアンのバックでは一切音を出さない。ちょっと例外があるけど、それは逆にゲッツのバックにジョアンが声をだしてきただけ。
ということで、ゲッツファンとしてはさほどおもしろくないアルバム。貴重な記録ではあるけどね。
ところでこのアルバム、ジャケットが2種類あるんです。ジャケットの最下段に2人の名前が書かれていますよね。これ、ネットで見つかる画像はほぼゲッツの名前が上にありジョアンが下。でも私が持っているものはその逆。内容がジョアン寄りだからジョアンが先なのかな~と思っていたんだけど、逆もあるとは。