スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

Prezervation/Stan Getz With Al Haig

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プレステッジ初期の録音を集めたもの。いわゆるクール時代ではありながら、トンデモ度が高くマニアには人気作だと言える・・・かな?ゲッツが参加していない曲も4曲あります。もともとアル・ヘイグをキーに未発表トラックを集めたものですから。そういう点で、ジャケットはちょっとだけウソ。私の記憶間違いかもしれませんが、もともとヘイグ名義のアルバムとして発表されたものを、あとでこのタイトル・ジャケットに変更したんじゃなかったかな?

4つのセッションから成りますが、内容を大きく分けると5つになります。ヘイグのトリオ演奏、ジュニア・パーカーの歌伴、「Stan Getz Quartets」のアウトテイク、カイ・ウインディングとジミー・レイニーを加えたセクステット、そしてボーカルが2人いる恐怖?のセッション。

Stan Getz Quartets」のCDには必ず追加収録されているのがタイトル曲「Prezavation」と「Intoit」。「Prezavation」は、やはり本テイクとされた「Crazy Chords」より内容がわるい。それより淡々と演奏される「Intoit」が良い。これ、「A night In Tunisia」のコード進行ですよね。まさに換骨奪胎とはこのことか。非常に興味深い演奏です。

「Stardust」も傑作。ゲッツが演奏する「Stardust」となれば聴いてみたくなりますよね、当然あのヴァースから入って・・・あれ、ハーフサイズに省略か、と思っていたらジュニア・パーカーのボーカルによるテーマ。なあんだ、と思っていると歌っているコーラスの最中にはゲッツはまったく出てこない。歌が終わってエンディングで再び少しだけ登場。厳密には伴奏ではなく前奏後奏だけ。あらら。もう一つのパーカーの歌伴曲「Goodnight My Love」は、ゲッツの音がかすかにわかるものの片手で数えられる程度の音数、それがバックで聴こえるだけで、結局パーカーの歌伴2つは歌伴とも呼べない代物。がっくりきます。

しかしこのアルバムのもっともトンデモなのが「Short P,not LP」と「Be still,TV」です。タイトルからしてB級の香りただようこの2曲、いい意味で恐怖というかダメさを期待できますよね。なんとブロッサム・ディアリーとギターのジミー・レイニーのツインボーカルスキャットとゲッツとカイ・ウインディングがユニゾン(ハモるところもあるけど)するというアレンジ。男女混声スキャットってだけでもどうかと考えるのに、その歌手がレイニーなんだから呆然とするしかない。あなた本職はギタリストでしょ。テーマが終わってソロに入ると誰も素晴らしい演奏なんだけど。ドーンでの49年セッションのように、独り立ちしてからのゲッツはしばらくの間びっくりするような録音をしているんです。ただ、レイニー独特の、バップらしさにメカニカルな要素を加えた作曲はさすがで、実はジャズ的にはいい曲を書く人なんですよね。「Signal」とかもそうじゃないですか。

ちなみに一番聴きごたえがあるのはセクステット演奏で、このメンバーからブロッサムが抜けてレイニーが歌っていないwものです。それなのに、最後に付け足す程度になってしまいました。

 

Prezervation (Remastered)

Prezervation (Remastered)