スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

ブログについて2

このプログは、スタン・ゲッツのファンが思ったことを書いているだけのものですが、基本的にはアルバム単位で話をしているため、故人であるゲッツの発掘音源が出てこないと更新が原則としてストップしてしまいます。ゲッツについて思うこととか、ベストソロがどれだとか、言いたいことはたくさんありますので、折を見てそのような話もしたいと思っています。

投稿はなかなか増えないと思いますが、ブログを書き始めた当初、とにかく数を増やそうと思ってスカスカの内容になった投稿もたくさんあるので、いま、時間のあいたときに過去の投稿をどんどん加筆修正しています。ひまがあれぱ1度ご覧になった投稿をいつか読み直していただけると、もしかしたら内容が少し充実してるかもしれません。わりと毎日、少しずつ加筆してるので。


ちなみに投稿数を増やすことを優先させた理由は、以前お話しした恐怖のコメントへの対抗手段です。あのコメントが来たのは私の投稿数がまだ2、3個くらいのときのこと。数が少ないから私より自分の方がゲッツに詳しいと思ってマウンティングしたのではないか、なら投稿数を増やせば舐められないのではないかと考えていました。


2022年追記:アルバム単位での記事更新をしていましたが、思ったことや曲に関する感想など、ほかの切り口でもいいたいことがたくさんあることに気づきましたので、また少しずつ投稿をしているところです。

Let There Be Love/Dee Bell、Eddie Duran、Stan Getz

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これはリーダーこそディー・ベルということになっていますが(それとも3者名義?)、はっきり言うと、ベルの歌はイマイチ。これはゲッツの歌伴を聴かせるための、ゲッツのためのアルバムではないでしょうか。とはいえ、ゲッツ不参加曲も3曲ありますが。

 

ジャケットだけ見るとギターとテナーの伴奏にしっとりと歌が乗る、という印象があるかもしれませんが、けっこうゴージャスなサウンドの中型コンボをバックにしたものもあります。とにかくゲッツがまったく遠慮せずに歌伴で吹きまくります。エディ・デュランをフィーチャーしたテイクはそれでもしっとりとしています。それにしても、コンコードさん、よくこのアルバムを製作してくれました。個人的にはコンコードは最も好きなレーベルの1つです。なにせ「The Dolphin」をレコーディングしてくれたのですから。

冒頭の「There's A Lull In My Life」からのアルバムへの導入、とにかくワクワクしてくるようなサウンド。この曲は1950年代にエラ・フィッツジェラルドの歌伴でも録音していますが、まったく違う曲想にご期待ください。そしてそのワクワク感、楽しさをもったままタイトル曲「Let There Be Love」に。タイトルがいいですね、こういうのはうまい日本語に訳せないですが(長々とした説明調になってしまう)。ゲッツのからみがまた絶妙。ゲッツの歌伴はやはり1980年代以降の音色がベスト。

それにしてもゲッツが吹きまくる。ほぼジャズスタンダードではないというところからも選曲にはからんでいないでしょうけど、実質リーダーと言いたい。ネームバリューからして、そうに違いない。「Give Me One More Chance」なんか、ほとんどゲッツだけ。ウィズ・ストリングスもので間奏のオケが入ることがありますが、歌はその程度の位置付けです。

残念なのは「Waltz For Debbie」(Debbyの間違い)がゲッツ不参加ということ。ここに参加していれば話題性もあったのに。

 ミシェル・ルグランの「You Must Believe In Spring」は、ゲッツとベルとデュランの3人のみでのテイク。ミディアムスローでリズムを刻むギターがいい感じ。ゲッツのソロがもっと長ければよかったけど。

 

繰り返しになりますが収録曲は基本的にジャズスタンダードではありません。でもスタンダードとかそいういうことは関係なくポップな歌曲が揃っており、楽しめる内容です。なぜCD化しないのかな。

Bits Of Percussion And Jazz/Farrell Morris

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このアルバムをなめてはいけません。ロン・カーターのプレイにはズッコケますが、それでも非常にいいアルバムです。私はこのリーダーの人を存じ上げないのですがすごい人なのかな。ゲッツは3曲に参加しています。

 

ジャケットを見ると全般的にラテンサウンドなのかと思いますが、まったくそんなことはありません。パーカッションなんていた?と思うくらい、リーダーがわき役です。半分は3拍子ですし。あ、ヴァイブ・マリンバはけっこう叩いていますし、クレジットを見ると細かい打楽器を10種類くらい演奏しているんですけどね。

 

まずゲッツ参加1曲目、冒頭の「The Lamp Is Lowからして勢いがあり非常に良い出来。曲自体がかっこいいですね。それから2曲目、「A Child Is Born」はこのあとアルバート・デイリーとのデュオの「Poetry」でも演奏していますが、ここでもゲッツが素晴らしすぎる。ソロもかなり長め。この静謐な楽曲はゲッツにぴったり。

 

 しかしこのアルバムの最も特筆すべき点は、なんとゲッツがディズニー曲を演奏しているということです。そう、「Someday My Prince Will Come」を演奏しているのです。私は一応ゲッツのディスコグラフィーが頭に入っているつもりですが、ディズニー曲はこれ以外ないのではないでしょうか。ソロも最高です。半音フレーズによる入り方だけで、ぐっときます。