スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

The Be Bop Era

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ビバップの記録が収録されていて、ゲッツの録音ということを抜きにしても楽しめるアルバム、ジャズファンなら。面白さよりも貴重な記録という意義の方が大きいから。

1950年のメトロノームオールスターズの録音。「Double Date」「No Figs」の2曲でゲッツが聴ける。メンバーはマックス・ローチレニー・トリスターノ、カイ・ウインディング、バディ・デフランコリー・コニッツ、サージ・チャロフ、ビリー・バウアーなど。さらにディスコグラフィーにはディジー・ガレスピーの名前もあるけど、「No Figs」の方ではソロどころかアンサンブルからもトランペットの音色が聴こえない。「No Figs」はトリスターノの曲、曲想もアレンジも完全にトリスターノ色。そんな生粋のクール派の中に、「本当はクール派でもなんでもない、単に「スタン・ゲッツ」派であるだけのゲッツ」が入るとこうなるのか。非常に興味深いテイク。

リー・コニッツとサージ・チャロフとの、アルト、テナー、バリトンという編成はソロ回しで聴くと面白い。トリスターノのピアノはいかにも彼らしく、すぐにわかる。ゲッツはすでに自己のスタイルを確立していて、やはり際立っている、と言いたいところだけど、オールスタークラスのメンバー、みんなすごいです。