スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

The best of two worlds

ゲッツ・ジルベルト・アゲイン

60年代の共演盤よりパッとしない印象があるかもしれないけど、ポップスとしての完成度はこちらも負けていない。変にストイックなものを求める必要はない。ボサノヴァのスタンダード曲は収録されていないけど、名盤だ。

 

1曲目、いきなり英語詞でエロイーザ・ブアルキのみの歌、ジョアン・ジルベルト不参加。いい意味で強固な意志を感じる。実はこのアルバム、ゲッツ自身によるプロデュースらしい。ジョアンとの共演には何か思うところがあったのか、再びの大ヒットをねらったのか。いずれにしても積極的に音楽を作っているということが伝わってくる。3曲目では自身のソロを二重録音。これは何の意図があったのかわからないけど・・・

「自分はボサノヴァを理解している」というアピール評論家や似非ボサノヴァファン、ボサノヴァ以外理解できない無多様性音楽ファン初心者は「ゲッツの大仰なブロウがジョアンの音楽を台無しにしている」などと訳知り顔で評論しているアルバムだけど、何を言ってるのか。ゲッツが自分のアルバムを作った、そこにジョアンを参加させた、というものだ。ジョアンの音楽がどうのなんてナンセンスだし、ボサノヴァという物差しで測る必要なんてない。ゲッツのジャズという物差しで測ればいい。

 

選曲は当時のジョアンのレパートリー中心。完全に別々にスタジオ入りして多重録音で仕上げたんでしょうね、ジャケットと裏ジャケットを見ればそれが伝わってくる。まだジョアンは「自分だったら何をやっても称えられる」ということに気づいていないから、おかしな尺の伸び縮みをしていない(「Retrato em Branco e Preto」ではやっていて、聴いていて気持ちが悪い)。翌年のライブ盤ではすでにその兆候がある。

 

それにしても多重録音としてもゲッツの伴奏部分なんかよくやったなあ、と思っていたら、ディスコグラフィーにはオスカル・カストロ・ネヴィスの名前も。切り貼りでネヴィスによるギターを付け加えた可能性はあるね。ヴィセンテ・アミーゴのライブで、ギタリストが入れ替わってもけっこう気づかないということを体感したことがあります。

ゲッツ・ジルベルト・アゲイン

ゲッツ・ジルベルト・アゲイン