スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

「Você E Eu」

(ここで言っていることはすべて「私の知る限り」の話なので、間違ってたらすみません)

カルロス・リラの代表曲「Você E Eu」、ちょっと数えてみたら、このブログを書いている時点でわかるかぎり、ゲッツは3テイクの録音を残しています。動画は追いきれないのでノーカウント。

収録アルバムは「Getz Au Go Go」「Getz/Gilberto #2」「Stan Getz And Guests Live At Newport 1964」。ポルトガル語で「あなたと私」という意味のこの曲、原題は「Você E Eu」なのに、なぜかこの3枚すべてで「Eu E Você」と逆に表記されている。文化の違いでもない、英語でも順番は「You & I」のはず。

この曲は歌が終わってソロが入る瞬間がすごくかっこいい、そういう曲。ゲッツに限らず例えばチャーリー・バードのアルバムに入っているサックスのソロも入り方がかっこいい(ちなみにそのアルバムではちゃんと「Você E Eu」と表記されている)。ちなみに、なぜか「Getz/Gilberto #2」だけキーが半音高い。ジョアン・ジルベルトのキーでもない。

まあ一番まとまっていて文句のつけどころがない「Getz Au Go Go」はいいとして、やはりこの曲なら伝説の「Getz/Gilberto #2」に触れなければならない。

この曲やアントニオ・カルロス・ジョビンの代表曲「Corcovado」は、ジャズで演奏するときにサイズが2種類あって、演奏する前にメンバーでそれを合わせないととんでもないことになる。36小節か40小節か。歌の最後の音に食い込む感じでの36小節での演奏はかっこいいけど、ゲッツやアストラッド・ジルベルトはツアーで40小節で演奏してきた。ところがここでジョアンは36小節で演奏するものだから、歌のあとのゲッツのソロのバックでずれてしまう。少しだけ維持の張り合いみたいになるけどジョアンがゲッツに合わせることで収集がつく。

これはゲッツが歌にかぶるかたちでソロを始めるので、聴いている方も「あ、36小節の方かな」と思ってしまう。事前にリハをしておくべきだったとは思うけど、ジョアンがずれたのはしょうがないと思いますね。