スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

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 この物理的にあり得ない切り貼り写真、最初から3人が一同に会している絵にするつもりがなかったのかな。ゲッツのブリルハートのマウスピースが輝かしい。実はブリルハートはそんなにいいマウスピースではないそうだけど。

この3人による録音は、ライブでもいくつか残っている。それぞれの個性が際立っていてどれもおもしろい。

全4曲(+CD追加曲あり)、すべてアップテンポという、笑っちゃう内容。さすがノーマン・グランツ。1曲目の「Be Bop」では、ソニー・スティットが取り決めにない8小節交換を始めてテキトーに終わったものだから、ディジー・ガレスピーの番にはスムーズにつながらず、ドラムの方が先行する交換になってしまっている。ゲッツも含めて、交換になりそうでベースが止まるのにほかが続けるとかソロイストだけが止まるとか混乱していて、いかにもノーマン・グランツ、いかにもジャズ。こういうときもちゃんと収拾をつけるのがジャズマンだと思う。

 このアルバム、なぜハーブ・エリスがいるのかわからない。必要ないと思うんです。で、「Diz & Getz」のように「あ、そうか、当時のオスカー・ピーターソンのトリオにドラムを入れたからか」と思ったんだけど、よく見るとピアノはピーターソンでなくジョン・ルイス。え、なぜ!?どうしてジョン・ルイスなのか、アップテンポに合うピアニストではないでしょ。案の定、ソロはありません。

新しく出たCD には映画「Les Tricheurs」サントラから4曲が追加収録されている。うち「Les Tricheurs」は、ほかのアルバムのボーナストラックにもなっていた。

残り3曲については、ディスコグラフィーではゲッツ参加ということになっているのに、聴いてみると1曲も参加していないので注意。もしすでにこのアルバムを持っているなら、この3曲のために新しく出た方を買いなおす必要はない。

 

 

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