LPでしか出ていないように思われているけど、実は下のCDと内容は一緒。とはいえ、こちらもちょっと入手しづらくなっているらしい。
こっちの方では曲名が1つだけ違っているけど、同じ内容です。念のため言っておくと、「Samba Triste」が「O Grange Amor」です。
前半は、例の「最もブートレグが多い録音」である、スコット・ラファロとの演奏。だから後半こそが重要(これについては「Stan Getz Miles Davis Rare Live」の項に記載します)。だけど後半もわざわざそれにならってか、録音バランスが悪い。前半ほどではないけど。
後半のライブ録音、アップテンポの「On Green Dolphin Street」にまず驚く。もっと遅いテンポで演奏されるのが一般的で、ゲッツのプレイもやけにハード。ゲッツであることに疑いはないのだけど、ホントにちょっと信じられないくらい。それから続く「The Shadow Of Your Smile」、ゲッツによるこの曲の演奏は珍しい。それも、この頃は当たり前だったボサノヴァ風演奏ではなく、バラードとしての演奏。作曲者のジョニー・マンデルはすでに大物になっていたけど、ゲッツは昔からの友人で1940年代には一緒にバンドを組んでいたこともある。もっとも、この編成でもう1テイク録音しています(「Live Jazz From Club 15」というCDです)。
それにしてもやはり相変わらずロイ・ヘインズがうるさい。録音バランスの悪さがそれに拍車をかけている。あの品のないスネアの音はなんとかならないのかと思う。それだけで聴く気が減少するアルバム。すでに1966年なのにボサノヴァの叩き方もめちゃくちゃ。また、速い曲だけでなく、どスローでもテキトーな感じで、私はこういう演奏は嫌いです。
とりあえず、このアルバムを持っていれば、ゲッツの録音だけでいいなら「Stan Getz Miles Davis Rare Live」は必要ないということになります。