アマゾンでは少しプレミアがついて高く売られていたこともある。2枚組でゲッツ参加はたった1曲ということだけど、ビル・エヴァンスは大好きだからまあいいでしょうと思っていた。ちなみに同じくゲストで参加しているリー・コニッツは昔から苦手。
実際はライナーの間違いで、ゲッツは2曲に参加。メンバーはマーク・ジョンソンとフィリー・ジョー・ジョーンズ、カーティス・フラーにゲッツ、そして知らないギタリスト。もうこのメンバー見ただけで散漫なサウンドが聴こえてきそう。大体、エヴァンスはどうしようもない最終選択のときにフィリー・ジョーを雇うからね。やっぱり合わないドラミングです。
「Lover Man」でのゲッツはやはり散漫。全員が散漫なプレイで、がっくりする。ところが「All The Things You Are」は100%ゲッツ節。いかにもというフレーズだらけだけど、ゲッツらしさがあふれる演奏になっている。ただ、リードが合わないのかヘタってきているのか、リードミスしそうなプレイが続く。
ところで、この演奏で おもしろいのがイントロ。チャーリー・パーカーが作ったであろうこの曲のお約束のイントロは、本来半拍「食っている」のが正しいのだけど、ここでは1拍半「食っている」。私はこちらの方がしっくり来る、というか常にこの1拍半食いに聴こえてしまうのが悩み。
誰でもどうしてもズレて聴こえてしまうというのはあるでしょう、割と多いのがマイルス・デイヴィスの「Walkin'」のイントロが裏返って聴こえてしまうというものです。「Confirmation」のイントロなんかもそんな感じ。で、私の場合は「All The Things You Are」のイントロがどうしても1拍半はみ出ているように聴こえていたのだけど、ここではまさにそうやって演奏しているので驚きましたね。
感想としては、2曲しか参加していないのに2枚組でそれなりにプレミアがついているのであれば、マニア以外は無理に買わなくてもいいかな。ゲッツ参加以外のトラックも不出来だしコニッツに至ってはかなり無残。
- アーティスト: Bill Evans,Philly Joe Jones,Lee Konitz,Curtis Fuller
- 出版社/メーカー: Jazz lips
- 発売日: 2010/05/12
- メディア: CD
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