スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

Billie Holiday at Storyville

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はっきりいってビリー・ホリデイは好きではない。それに加えて、これは私の知っているジャズの歌伴ではないので、好きになれない。

それでも、ゲッツによるホリデイの歌伴というと、レア度というか意外度は高いよね。

 

ゲッツ参加曲は2曲、どちらもホリデイが歌っているバックでゲッツが延々と好き勝手吹いているという感じ。しっかりしたソロスペースを与えられるわけでもなく、なんなのかなあ、これ。ホリデイが好きな人にはいいのだろうけど。

 

At Storyville-Remastered

At Storyville-Remastered

 

Midnight Sun /Herb Alpert

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ゲッツとは大親友だったというハーブ・アルパート。日本では「ハープ・アルバート」と名前を微妙に間違われることが多い。ハーブ・アルパートとゲッツは長く親友だったようですね。A&M創始者でもある彼は、ゲッツのA&Aレコーディング「Apasionado」のプロデュースもしています。フュージョンの名盤ですよね。

 

さてこのアルバムでは、ゲッツが1曲「Friends」に参加してます。他の曲はスタンダードですが、これはアルパートのオリジナルで、ゲッツの優しい音色をそのまま曲にしたかのようなスローな名曲。アルパートのミュートによるイントロからゲッツがふんわりと出てくるところでガツンとやられる。まさにゲッツのために書き下ろされたんじゃないかと思うくらいにぴったりマッチしているんだけど、実際はどうなのかな。

GRPのおかげでちょっと都会的なサウンドでおしゃれに決めるジャズが流行してきた当時の感覚でスタンダードを解釈したというアルバムで、ゲッツ不参加のトラックもムーディ、これはけっこうお薦めのアルバムです。いえ、でも実際ゲッツの1曲だけでも「買い」ですよ。

 

Midnight Sun

Midnight Sun

 

Birdland Days

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まるでベツレヘムのようなジャケットだけど違います。下の「Move!」と同じ音源、ただし曲数が少し足りない。

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とにかく内容がすぱらしい。このころのゲッツは超人的なライブをしていたことが、ほかのアルバムでもよくわかる。速い曲を数多く演奏しているのに、同年の「Stan Getz Plays」はバラード中心。レパートリーの傾向がおもしろい。

気にいったエンディングパターンを生涯変えないのがゲッツの特徴で、ここでは同時期ではあるけど2つの「Yesterdays」が同じパターンで終わるのが聴ける。まったく同時期の同じくバードランドライブ録音でフレッシュサウンド盤もある。そちらも文句なし。50年代のライブは録音の悪さも魅力の1つ。