スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

My Favorite Ballads /Greetje Kauffeld

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すみません、この人を存じ上げておらず、読み方もわかりません。バックのオーケストラはオランダのものらしいけど。

1973年の録音で、1曲だけ「Yesterday I heard the rain」にゲッツが参加している!オーケストラものでちょっとだけ間奏する程度かと思いきや、イントロでたっぷりゲッツが吹いたあとにようやく歌が入るという構成。歌のバックでも少し吹いて間奏でまた吹いて、エンディングでも少し吹く、というゲッツを思い切りフィーチャーしたテイクです。特にイントロでの演奏は、この頃のゲッツらしさがすべて詰め込まれていて、ある意味ゲッツのベストプレイとも言いたいほど。名演というよりも「らしさ」の塊という点で。

私はこれをドイツのアマゾンで購入しました。たった1曲のみですが、けっこう探しましたね。

A Song After Sundown

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内容は下の「Stan Getz & Arthur Fielder At Tanglewood」と同じです。曲順は「A Song After Sundown」の方がいいと思います。だって「Stan Getz & Arthur Fielder At Tanglewood」はテンポが快適な曲を前半に集めて、あとはスローが連続するという構成になっているので。

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ボストンポップオーケストラとの共演で、一応リズムセクションは参加しているもののゆったりとした曲が中心。ジャズっぽい曲は2曲。ゲッツの音色とオーケストラとの共演を楽しめるものの、これをジャズとして聴くことはなかなか困難かも。

というのも、これは「ゲッツがクラシックをやった」とも言われているアルバムで、1曲目「Love Is For The Very Young」と6曲目「Girl From Ipanema」以外は基本的にアドリブなし。ゲッツを思い切りフィーチャーしてはいるもののオーケストラと共同で1つの曲の決められたフレーズを演奏しているだけ。たまにリズムセクションの音も入る。ゲッツの演奏は決められたフレーズと言ってもフェイクも入れており、ゲッツのニュアンス、ゲッツのアーティキュレーション、ゲッツのヴォイスなんだけど、ジャズのアドリブをバリバリというものではないのです。

評伝にはリハ直前で楽譜が紛失したとかちょっとおもしろいエピソードが書かれているけど、そもそもこれはどういう趣旨のライブだったんだろう。ゲッツファンが行ってもイマイチ楽しめないだろうし。ボサノヴァ以降の試行錯誤の一環だったのかもしれない。それでも、ゲイリー・バートンジム・ホール、スティーブ・スワロウ、ロイ・ヘインズというリズムセクションの面々は豪華。だからこそリズムセクションがほとんど出てこないのがもどかしい。

 

Song After Sundown

Song After Sundown

 

Jazz Gala Concert /Peter Herbolzheimer

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チック・コリアの名曲「Times Lie」をオーケストラバックに演奏。初演はあんなに長かったのにたった4分強の演奏。アルバート・デイリー時代には21分のテイクもあったくらいなのにね。

ここではニールス・ペデルセンのビートのきいたベースに乗ってゲッツが吹くんだけど、途中でコードが変わる辺りとか何か違う。ただのワンコードというか。ゲッツ自体はいい演奏なのに、アレンジが曲を理解していないというか。それはいつものことかもしれない。チック・コリア以外この曲をちゃんと演奏できる人はいないのでしょう。

あっという間にゲッツのソロが終わりテーマに戻るので、なんだったのかと思うほどあっけない。ただし、この演奏はある意味レアです。普段はピアニストをフィーチャーする曲なのにここではゲッツがメインになっているので。

この録音は一時期入手困難だったけど、いまはMP3ダウンロードで簡単に入手できるようになったんですね。昔、必死に探していたのが懐かしい。まあ、そんなに頑張って入手しなくてもいいテイクです。

 

Jazz Gala Concert

Jazz Gala Concert

  • アーティスト: Peter Herbolzheimer Rhythm Combination & Brass
  • 出版社/メーカー: Herbolzheimer Musik
  • 発売日: 2014/02/16
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