スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

Chicago 1980

1980年8月31日のライブ録音、これもYouTubeに音源が上がっています。チャック・ローブ、ミッチェル・フォアマン、ブライアン・ブロンバーグというメンバーは今考えると豪華。

チャック・ローブ参加前のレパートリーと参加してから後半のレパートリーを演奏しており、ローブ時代中期の「あまりピンとこない曲」が少ないのが特徴。例えばアルバート・デイリー時代の「Summer Night」もありますし、「Billy Highstreet Samba」収録の「Be There Then」「Hospitality Creek」も演奏している。

「Hospitality Creek」はスタジオ盤のアレンジになる前の試行錯誤時期。全員のソロがスタジオ盤よりも「際立たない」アレンジで、単に(ほぼ)一発で回しているだけ、フレーズもビートを意識しすぎていてソロイスト3人とも持ち味が出せていないかな。確かにこのままではイマイチだったなと思う。スタジオ録音までにアレンジが変わって良かったと思いますがいかがでしょうか。

ソプラノサックスでの演奏が知られている「Be There Then」は、やはりベースはスタジオ盤のマーク・イーガンの方がしっくりくる。アコースティックベースの音色はこの曲にはあまり合わないか。ゲッツのフレーズはスタジオ盤とは当然違うけど、あいかわらずソプラノの良さを引き出して、コルトレーン風でも、ウェイン・ショーター風でもなく、フュージョン風でもないゲッツらしいソプラノ演奏を聴かせる。ちなみに作曲者のローブの演奏がなんとなく荒い。ローブのソロにかぶさってゲッツが戻ってくるところはちょっとタイミングが早い気がして、ゲッツがサイズを勘違いしていた?という疑惑もありますw

Empty Shells」のときとギター、ベースが同じですが「Autumn Leaves」ではあちらで聴けるリハモをしていないので、ほっとするしいい演奏になっていると思う。

最後に「Kali-Au」、基本的に「Empty Shells」収録の曲はどれも「うーん・・・」という曲が多いんですが、これはパット・メセニー風で比較的いい曲。注目すべきは、ゲッツがここでもソプラノを吹いているということ。冒頭のほんの少しだけですけど。しっくりこなくてやめたのかな。