(ここで言っていることはすべて「私の知る限り」の話なので、間違ってたらすみません)
もとはシャンソンで、ジャズスタンダードの定番中の定番「Autumn Leaves」、ちょっと数えてみたら、このブログを書いている時点でわかるかぎり、ゲッツは7テイクの録音を残しています。
Ⅱ-V-Ⅰの連続がジャズ演奏に適していることが、定番となった最大の理由でしょう。趣のある曲想ですがビル・エヴァンスの1959年のあの名演以降、テンポはどんどん速くなっていき、演奏者が趣ではなくアドリブの素材とすることを重視していることがわかります。サラ・ヴォーンの歌やチック・コリアのアコースティックバンドではテーマメロディすら出てきませんし。
ゲッツの最初の録音は1952年、「The Complete Roost Sessions Vol.2」収録のテイクです。ゆったりとしたスロー。そうそう、この曲はこういう、しっとりした演奏をすべき曲なんだよなあと改めて思います。「Autumn Leaves」と言えばマイルス・デイヴィスとビル・エヴァンスですが、初演は1958年、1959年です。ゲッツの録音はかなり早かったんですね。
ゲッツの「Autumn Leaves」は、はっとするフレーズがけっこう聴かれます。「People Time: The Complete Recording」での2分44秒くらいからのフレーズ、「Live In London」での3分18秒からのフレーズとか。
それと、ゲッツの「Autumn Leaves」の特徴は、通常ジャズではGマイナーで演奏されるこの曲をCマイナーで演奏するところですね。そのままコピーしても移調しないと使えないw
1952年という独立後の最初期から最後の1991年まで幅広くやっているレパートリーなので「Yesterdays」などと同じようにプレイスタイルの変遷を楽しむことができます。