チック・コリアの参加で有名なアルバム。ジャケットの写真は誰なんだろう。後年の愛奏曲となる「Con Alma」はこのアルバムが、初演。
テンポが目まぐるしく変わるコリアの「Litha」、最初の4ビートでのフレーズはアドリブ風だけどテーマのメロディの一部でしょう、他のライブ録音でも演奏しているし。でもこのフレーズってゲッツのソロフレーズとしての特徴がありますよね。もっというとコリアが「書いた」フレーズには思えない、コリアらしくない。ゲッツのストックフレーズなのかなと思うほど。もしかしたらその可能性もある。初演かつスタジオ録音ということもあり、ていねいに演奏されています。
2曲目の「O Grande Amor」は、コリアにロン・カーター、グラディ・テイトというリズムセクションでは全然ボサノヴァに聴こえず、ゲッツも「Getz/Gilberto」のときとは違いすごくエモーショナル。ジャズとしては素晴らしいけど、ボサノヴァファンには許容範囲を超えていると思うかも。でもゲッツのアドリブフレーズがかっこいいものばかり泉のように湧き出てくる、かなりの名演。ボサノヴァがどうかということに関係なく、私は大好きです。
「Sweet Rain」はアルバムタイトルにもなっているけど、一番ピンと来ない曲なのかもしれない。これは曲を理解すると、このスローテンポがすごくエキサイティングに思えてきます。一度演奏してみるといい曲です。
最後の「WIndows」はマイクロソフト賛歌、いえ冗談です。多彩なフレーズが組み合わさったコリアのオリジナル曲で、静かに始まって一気にホットになるところが最高。
実は私は、最初聴いたときこのアルバムの良さがわからなかったのですが、いまはこんな名盤めったにないとすら思っています。まだ新人のコリアのプレイが、コンピングを聴くだけでもただ者でないことがわかります。