スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

Stan Getz's Photos

フェイスブックに「Stan Getz Photo」というページがある。とんでもなくレアなゲッツの写真がたくさん投稿されている。ファンにはたまらない。けっこうBev Getzが投稿しているみたい。

ここに貼り付けるわけにはいかないんだろうけど、ピアノを弾いている写真や赤ちゃんのBevを抱いている写真、ビッグになってからのベニー・グッドマンとの2ショットなどがあって、びっくりしました。

最も驚いたのが、あの1951年のメトロノーム・オールスターズ録音のときの写真。マイルス・デイビスリー・コニッツと向かい合って吹いている写真などがあります。

 

https://www.facebook.com/groups/133829930109952/

 

 

Plays Music From The Soundtrack Of Mickey One

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おそろしくつまらない、ゲッツの名前が冠されているものの中でダントツにつまらないアルバム。二度と聴かないつもりだったけど、改めて聴いてみました。

まず、これはジャズではない。サントラ盤なのか。でもタイトルを見るとそのままサントラというわけでもないらしい。とにかくジャズでも何でもないサウンドとメロディ、そこにゲッツがいつもの調子で乗っかっていつもの調子で吹きまくる。このときばかりはゲッツのその能天気さに怒りを覚える。ちょっと待ってよ、バックを無視して好きなように吹いているけど、そうするしかないのはわかるけど、どうしてこんなアルバムの録音を受けたの?

 

思ったよりもゲッツの演奏が多く、しっかりと録音されている分、余計このつまらなさに憤りを感じてしまうのです。 これをユニバーサルだったかが日本で他のオケものと一緒にまとめて発売したのはちょっとどうかなと思う反面、その機会でもないとこんなもの再発するわけにいかないし、マニアとしてはやはり持っていなければならないし。

 

ミッキー・ワン+8

ミッキー・ワン+8

 

More West Coast Jazz

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ボブ・ブルックマイヤーとの2管の編成。1曲目の「Willow Weep for Me」からぐっと引き込まれる。あの曲が名バラードになっている。ほんの少しだけピックアップ的に先行して、テーマにすうっと入っていく。その後は静謐な空間。こんな風に演奏したゲッツは当然すごいけど、これを1曲目に配置したノーマン・グランツはすごい。

続く「Crazy Rhythm」はまさにイマジネーションの泉というべき演奏。尽きないフレーズ、これでもかとスイングする。50年代前半、ゲッツの20代後半におけるアップテンポ曲の演奏はどれも完璧に近い。

「The Nearness Of You」は、ブルックマイヤーがいない方がよかったな。バラードなのになんだかせせこましいし、おそらくブルックマイヤーのアイデアの、おかしなアレンジもあるし。ムードがあるのかないのか、ないです。ゲッツの音色とアプローチはいいのに残念。

「I Didn't Know What Time It Was」はテーマでの2管の絡み方が良い。そう、こういうのはいい。さっきのは曲を台無しにしている部分もあった。ゲッツは3連のノリを交えてプレイ。ただ、ピアノソロやベースゾロも入り、ちょっと時間稼ぎ的に録音された感も否めない。

ラストの「Tangerine」もゴキゲンに展開する。アップテンポで飛ばすと思いきやミディアムファーストで心地よいテンポ。それがまたゲッツのすさまじいほどの名フレーズを引き出している。と、アルバム全5曲で全編上質のゲッツのソロが楽しめる。

上に言ったような例外もあるけど、この頃のボブ・ブルックマイヤーとの録音は基本的にどれも当たりで、内容がすばらしい。ゲッツのとのからみ方も出しゃばり過ぎず、主役を立てている。あくまでもゲッツが主役。トランペットではないのがいいのでしょう。

 

ところでファンの間では有名だけど、このアルバムは「West Coast Jazz」よりも古い録音なんですよね。「More」というわりには共通点もないし。ノーマン・グランツはホントにいつもテキトーだけど、これは西海岸で録音されているから「West Coast」というのだけはウソではなかった。

 

モア・ウェスト・コースト・ジャズ

モア・ウェスト・コースト・ジャズ