スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

Birdland Sessions 1952

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音質の悪さはゲッツのブートレグの中でもトップクラスwだけど、プレイ内容は最高。「Stan Getz Plays」「Stan Getz Quartets」「At Storyville」のライブ盤と言えばいいかな。冒頭の「Woody 'N You」インコンプリートテイクは、ゲッツの全録音の中でベストの1つだと思う。部分部分はいつものプレイ・いつものフレーズなのに、鬼気迫るというか。あ、曲順が変更になったバージョンも発売されているみたいです。

他の曲においても同様で、この頃の録音でなら聴き飽きた「Move」「The Song Is You」にもグイグイ引き込まれる。いい意味で機械のように完璧なタイム感覚と畳みかけるようなフレーズは、天才としか言いようがない。「Parker51」も粗さが目立つもののストーリーヴィルライブより秀逸。全体的に、内容は「Stan Getz Plays」「Stan Getz Quartets」「At Storyville」を上回る。トータルでは最高傑作に近い、これで音質さえ良ければ・・・いや、この音質の悪さがいい雰囲気を出しているとも言える。

 

それだけに、この頃のお約束、ギターをフィーチャーした「'Round Midnight」は、聴くたびにげんなりする。なんだなんだこれは。

 

Birdland Sessions 1952

Birdland Sessions 1952

 

Swiss Radio Days Jazz Series Vol.29

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この発掘音源が発売されたころって、同じような50年代末~60年の欧州ライブ録音の発掘音源がたくさん発表されていて、その中にはちょっと首をかしげるような内容のものもあった。さらに、もともと発売されている同様の北欧録音なんかとレパートリーも似通っているので、まったく期待してなかった。ゲッツファンのノルマ程度に考えていた。

 

ところが、このライブの数日前に録音されたデュッセルフドルフのライブと同様、いやこちらはそれ以上に予想を裏切った。ここでのゲッツは完璧すぎる。レパートリーもいつもと同じで、演奏も完璧だから特にここでいうことがない。とにかくすごい。それ以外いえない。

 

1曲目「Gone With The Wind」はゲッツによるイントロと少しラテンチックなアウトロを加えたアレンジで、これが原曲をうまく挟んでいい感じに仕上げている。ラストの「Pernod」はデュッセルドルフの方がまとまっているとは思う。テンポが走って、最後は強引にまとめている感じなんだけど、それがまたいかにもジャズのライブということで、リアルな記録としても価値がある。

このアルバムを買うことを躊躇している人がいたら、安心してください、「買い」ですよ。

SWISS RADIO DAYS JAZZ SERIES, VOL.29

SWISS RADIO DAYS JAZZ SERIES, VOL.29

 

1100 Bel Air Place /Julio Iglesias

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まさかフリオ・イグレシアスのアルバムに参加しているとは驚きました。「世界の恋人」のバックで。

 

ゲッツは「When I fall in love」に参加。ソロに関してはいうことなし。ただ、このテイク、バックの関係でそう聴こえてしまうのか、わざとそういうアレンジにしているのかわからないけど、原曲と1小節ずれて聴こえるんですよ。原曲は1拍休みでしょ、このテイクは「食っている」ように聴こえるんです。それがカッコいいなあと思っているけど。

 

1100 Bel Air Place

1100 Bel Air Place