スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

Duesseldorf 1960 /John Coltrane

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youtubeで動画がアップされ、DVDが先に発売されていた音源。個人的にはDVDよりやはりCDで音のみに集中して聴きたいので、これが発売されて良かったです。

ドイツのデュッセルドルフ、JATPの欧州公演でマイルス・デイヴィスのグループやゲッツのバンドが出演しましたが、ノーマン・グランツがテレビ放送用にジャムセッションを提案したのをマイルスが拒否、しょうがないので当時バンドメンバーだったコルトレーンリズムセクションが対応したのがこの演奏です。テレビ放送用に関係者のみを集めたライブだったそうで、聴衆の声などは聴こえません。

さて、共演録音は2つ。まず「Rifftide」(セロニアス・モンクの「Hackensack」)でジョン・コルトレーンのあとにソロをとるゲッツだけど、フレーズもいまいち入ってこないし、ゲッツの録音がわるいせいもあり音量が小さく存在感がない。そのあとに登場するオスカー・ピーターソンの方が会場を沸かせたような気がする。これだけ聴くとテナーバトルとしては完全にコルトレーンの勝ち。悔しい。それにしてもピーターソンとコルトレーンの共演というのも珍しいですね。

ゲッツとコルトレーンによるドラムとの4小節交換は良いです。ここではどちらも負けていません。いや、ゲッツファンはゲッツの勝ちだというしコルトレーンファンはコルトレーンの勝ちというのでしょう。

それから「Ballad Medley」ではコルトレーンは「What's New」を、ゲッツは「Moonlight In Vermont」を演奏。コルトレーンのものはインパルスにおけるアルバム「Ballads」での超名演・名アレンジとは違いもう少し普通の演奏ですが、やはりコルトレーンとこの曲は相性が良いのですね。ゲッツの方は曲の雰囲気をそのままに優しく入ります。慣れている曲だけどまたアプローチやエンディングが他のテイクと違い、新鮮な内容になっています。

Duesseldorf 1960

Duesseldorf 1960