スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

Live In Stockholm 1978

同内容の映像作品も出ているけど、音楽に集中するならCDの方がいい。映像を見ることで、実は不思議なシチュエーションでのライブだということはわかりますが。

ゲッツが愛し、ゲッツを愛するストックホルムで、急遽決まったライブでしょう、ゲッツが共演者の名前すら把握していない、曲についても「速い曲?遅い曲?」なんて聞いています。そのままMCを収録してるのがおもしろい。

冒頭2曲は現地のミュージシャンの作品で、ゲッツの演奏としてはたぶんこのアルバムでしか聴けないと思います。この2曲、けっこういい。これだけでこのアルバムに対する評価があがる。それから、音質はそんなに良くないですがベースがしっかり聴こえるのがいいところ。残念な例としては、スコット・ラファロとの共演盤、ベースこそ聴きたいのに肝心のベースが全然聴こえない・・・。ベーシストが地味ながらもいい演奏をしていて、全体的に快適な内容に仕上がっています。

 3曲目以降はスタンダードを演奏。いいですね、1970年代以降のゲッツはサイドメンのオリジナルやいつも決まりきったレパートリーを演奏していたので、たまにジャムセッション的にスタンダードをやってくれるとむしろ新鮮です。

「Round Midnight」はゲッツがバッチリとソロをとっていて、1950年代初頭のギター入りクインテットでの演奏にストレスを感じていた人には納得できる内容なんじゃないかな。あの頃はギターがテーマを演奏してゲッツがわき役に回るというアレンジでしたから。

 「You Stepped Out Of A Dream」は8ビートでカウントをとるところがおもしろい。普通は四分音符でカウントすると思いますが、これは「スイングでなく8ビートでやるからね」ということで念押ししてのカウントですね。あれ、ワンホーンによる「I'll Remember April」って、もしかしてレア?いつもチェット・ベイカーボブ・ブルックマイヤーとの共演じゃなかった?

全体的にいいアルバムだと思いますが、映像作品が先に発表されてそれをそのまま音源にしたようで、アンコールになかなか出てこない中、それを求める拍手が延々と続くところはカットしてほしかったです。まだか~と思いながら聴くことになるので(スキップすればいいだけですけど)。

 

Live in Stockholm 1978

Live in Stockholm 1978