スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

Live At The Hi-Hat 1953 Vol.2

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Vol.1」よりはラインナップがいいかもしれない。とはいえ、予想よりまったりとした感じで全編進むので、「 Interpretations #3」のような緊張感あふれる演奏を期待すると肩透かしを食らう。

 

There Will Never Be Another You」はわりと遅めのテンポ、ここではボブ・ブルックマイヤーがけっこういいソロをとる。続くゲッツもキラリと光る。

マニアックな曲が続いたあと、「Stella By Starlight」となるが、「Stan Getz plays」の燃えカスみたいな演奏で、内容はほめられたものではない。似たような雰囲気で進む「All The Things You Are」は、これまた予想より遅めのテンポでちょっと不安になるけど、演奏はバッチリ。最後の曲はブルックマイヤーの1ホーンカルテット。ゲッツファンならこれを聴かずにCDを止めてよいw

 

全体的に速い曲もなくまったりとしている。だからこそ小さな音量でBGM程度に聴くとすごくいい雰囲気になるアルバム。

 

Live At The Hi Hat 1953, Vol. 1 & Vol. 2 / Stan Getz With Guest Artist Laurindo Almeida

Live At The Hi Hat 1953, Vol. 1 & Vol. 2 / Stan Getz With Guest Artist Laurindo Almeida

 

Live At The Hi-Hat 1953 Vol.1

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いきなりインコンプリートの「Ornithology」から始まる、フレッシュサウンドのこういうところが好きです。この音質の悪さも雰囲気があっていいんだよね。

Stan Getz Plays」で聴いていた「Hymn To The Orient」「These Foolish Things」をトロンボーンとのクインテットで聴けるのもおもしろい。

「Move」はゲッツのソロが延々と続き、ファンにはたまらない。「Moonlight In Vermont」はジョニー・スミスのアルバムもあってなんとなくゲッツの代表曲という印象があるかもしれないけど、あちらはギターがメイン、ほかにはオーケストラでの録音があるくらいじゃなかったっけ?ここで聴けるのは貴重だと思います。もっとも、この曲そんなに好きじゃないんですけど。

 

全体的にいえることは、「トロンボーンはいない方がいい」ということw ギターとのクインテットのときはさほどギターが目立たずいい感じに仕上がっていたんだけど、トロンボーンはやはり楽器として我が強いような気がする。いくつかあるスタジオ録音のような緊張感もないし、これはどうなのかなあ、と思います。

Schuur Thing /Diane Schuur

Sure Thing (Album Version)

ゲッツが応援していたというダイアン・シューア。このアルバムでは2曲に参加。まずは「It Don't Mean A Thing」。クイーカを入れたサンバ風リズムで、歌は早々に終わりすぐにゲッツのソロにチェンジ。バッチリのソロを聴かせたあとは歌との2小節交換(4分の2でカウントして)。シューアのフレーズを拾うところもあり、インタープレイを繰り広げる。

そしてなんともう1曲はイヴァン・リンスの「Love Dance」をやっている!あの超名曲兼超難曲をゲッツの演奏で聴けるとは。これはいい意味でトンデモゲッツの上位にランクされますよ。イヴァンの原曲(アメリカ盤のアルバム「Love Dance」ではなくブラジル盤「Daquilo Que Eu Sei」に収録されている方)とは違い、幻想的な雰囲気。そう、むしろどちらかというとイヴァンのアメリカデビュー盤に近いムードかな。ゲッツは間奏ソロとラストのメロディからオブリをつけるという程度だけど、それでもいいものを聴かせてもらったなあ。まさに名曲名演とはこのこと。典型的なGRPサウンドが非常に心地よい。GRPのサウンドって実はゲッツに合うんですね。

ちなみに、ゲッツの評伝では著者が「さして面白くないバラード」と言っている。ははは、この曲のすごさがわからない時点で、評伝の著者はアウトです。随所にそういう箇所があります。

 

Schuur Thing

Schuur Thing