スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

「But Not For Me」

(ここで言っていることはすべて「私の知る限り」の話なので、間違ってたらすみません)

ガーシュウィンのスタンダード曲「But Not For Me」、ちょっと数えてみたら、このブログを書いている時点でわかるかぎり、ゲッツは3テイクの録音を残しています。動画は追いきれないのでノーカウント。

あれ?こんなに少なかった?という印象。まず1964年の「Stan Getz And Guests Live At Newport 1964」、チェット・ベイカーがテーマからソロに入り「ゲッツは不参加か?」と思いきや、ちゃんとソロをとっています。

ゲッツとチェットの共演としては1983年、ノルウェーでのライブ「Quintessence, Vol. 1 /Stan Getz Quartet With Chet Baker」、ぐっとアップテンポでチェットがボーカルを披露しているテイク。キーは一般的なE♭メジャーなので、トランスクライブすればフレーズはそのまま使えます。

しかしゲッツの「But Not For Me」と言えばやはりこれでしょう、いろんなCDに入れられている、私がいう「ワルシャワ5」の中のテイクですね、「Stan Getz In Warsaw」などに入っている1960年のポーランドでの録音。半コーラス休んでからゲッツが入ってくる瞬間が最高にすばらしい。1950年代後半から1961年初頭までの欧州逃避時代の録音でもっともすばらしいのがこれではないのかと思うほど。いや、実際にはいつものレパートリーのライブ録音がたくさん出回っていて食傷気味になるかと思いきや、ほぼどれも調子がよくて、どれも聴くたびに「うーん、これがこの時期のベストかな?」と思ってしまうのだけど(例外はあります)。

ところで、おもしろいことに、このテイクはなぜかキーが違うのです。実音でFメジャー。だからこれはそのまま採譜してもすぐには使えません。いや、ピアノで採譜したものを移調しなくても使えるというのは有用かもしれませんが。