スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

1972年のスタン・ゲッツ

1972年とはどういう時代であったか。オイルショックが1973年でしたか、ベトナム戦争アメリカが撤退したのが1973年。音楽では、キャロル・キングが「Tapestry」を発表したのが1971年、はっぴいえんどの「風街ろまん」も1971年、ミルトン・ナシメントの「Clube Da Esquina」が1972年。そんな時代です。灼熱と無力さを感じる時代。

で、そんなころにゲッツが何をやっていたのかというと、はい、まっさきに来るのが「Captain Marvel」です。3月3日録音だったかな。そう、これがあるということはチック・コリアの「Return To Forever」も同年に録音されていますね。

6月2日には「Jazz At The Santa Monica Civic '72」でロイ・エルドリッジやカウント・ベイシーと同じステージに立ちます。急にオールドなサウンドになっても対応しているのがすごい。

この時代はジャズフェスが多かったんですね、次に7月3日、ニューポートジャズフェスティバルの「Newport In New York '72」。ここではゲイリー・バートンハービー・ハンコックローランド・カークなどの出演もありますが、時代を先どるフュージョンのような音楽を演奏していません。いい意味で、安心できるいつものジャズ。そしてゲッツはウディー・ハーマン楽団のゲストとしてもニューポートに出演しています。同日の「Live At Newport Jazz Festival 1972 /Woody Herman & His Thundering Herd」です。

そしていよいよ、再びチック・コリアを招聘してモントルージャズフェスティバルに出演、「Complete Live At Montreux 1972」です、これは7月23日のライブ。

手元にある音源からは、1972年はだいたいこんな感じであったことがわかります。え、「Communications 72」がない?いえいえ、あれは発表こそ1972年ですが録音は1971年。プロデューサーがノーマン・グランツでなくなっても、ヴァーヴの伝統芸としてこの方式のタイトルが付けられています。