スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

「A Child Is Born」

(ここで言っていることはすべて「私の知る限り」の話なので、間違ってたらすみません)

サド・ジョーンズによるスタンダード「A Child Is Born」、ちょっと数えてみたら、このブログを書いている時点でわかるかぎり、ゲッツは2テイクの録音を残しています。サブドミナントマイナーが特徴的で非常に幻想的、タイトルから感じる印象とはかなり違う曲想です。わたせせいぞうハートカクテル」の中で、ジャズピアニストに子どもが生まれたお祝いとしてこの曲をバーの客が合唱するシーンがありますが、お祝いの曲にしては静謐すぎるし歌詞なんてあるの?と思います。

ゲッツの演奏としてはまず1979年の「Bits Of Percussion And Jazz/Farrell Morris」、ファレル・モリスという人のリーダー作です。


ゆったりとしたテンポで演奏するのが一般的な曲ですから、細かい音符で埋め尽くすようなフレーズになりがちです。ゲッツのソロもそのような感じで、ちょっと「あれ?」と思いますが、後半再びソロがあり、そこではとてもゲッツらしい特徴的なフレージングが聴けます。

もともとこのような雰囲気の曲はゲッツの音色には合っていて、1983年録音のもう1テイクである「Poetry」では音色とあいまって美しすぎる世界を作り上げています。ピアノがアルバート・デイリーでなければもっとよかった。