スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

Boston 1975

f:id:torinko:20210525131127j:plain

 

Jazztimeの海賊盤CD-R。このレーベル(?)、つくりはテキトーに見えて内容がすごいものだらけ。これは1975年4月1日のライブで、5月には「The Best Of Two Worlds」を録音するわけです。メンバーはやはりアルバート・デイリー、ベースはクリント・ヒューストン、ドラムがビリー・ハートという、おなじみの面々です。ベースとドラムはピアノがジョアン・ブラッキーンに代わってからも一緒にやっていますね。1976年の「Moments In Time」にその共演が収録されています。

The Best Of Two Worlds」でも演奏している「Chovendo Na Roseira」が、歌なしのコンボで冒頭を飾ります。それだけでもレア。ブリッジにおける変拍子部分を、ソロのときもゲッツがしっかり吹いているのが新鮮。やりにくそうな感じにも聴こえます。

「500 Miles High」はゲッツの最初の音がうまく出なかったりキメの部分のアーティキュレーションがあまりマッチしてなかったり、ビリー・ハートと(初演時のドラマーだった)トニー・ウィリアムスの差をまざまざと見せつけられたり、いろいろとおもしろい。デイリーは一見派手ですごく聴こえるけどいつものワンパターンの盛り上げ方だし、クリント・ヒューストンも速いパッセージが出る割にはフレーズがカッコ悪く、それがいかにもナマモノのジャズとしてむしろ楽しい。たまにスタンリー・クラークのようなフレーズが飛び出すのはグッド。

ほかにも、全体的にゲッツが少しフラフラしている印象。「Unknown Title」とされているブルースはテーマなしで始まる「Stan's Blues」だけど、ここでも最初にゲッツがヨレてしまう。それでもさすが、ちゃんと立て直す。

最後の「La Fiesta」は、デイリー入りのコンボではこれまで当たりがなかったのでまったく期待していませんでした。ところが、少しアランフェス協奏曲を組み入れたデイリーの導入が奇跡的にカッコよく、初演に比べてはるかに速いイントロから疾走感ばっちりで、ゲッツのソロもデイリーのソロもダレていない。「500 Miles High」ではデイリーにいつもの「La Fiesta」で見られたワンパターンさを感じたけど、こちらはそんなことなく、「やればできるじゃないか」と見直しました(いつもこればかりですみません)。

 

ただ、非常に残念なんですが、この音源、丸ごとYoutubeにアップされてるんですね。購入する前からわかっていたことですが。