スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

Live In Paris

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パリでのライブはたくさんあるので、内容をしっかり見ないと同じ録音を買ってしまうことになるので注意が必要。

 

1982年のライブで、メンバーも選曲も「またいつものやつね」と思いがちだけど、あなどっていると痛い目にあう。非常に良質のライブ演奏。

タイトル表記が間違っている「O Grande Amor」は、トム・ジョビンの曲の中では好きではない方なんだけど、ゲッツが演奏するととたんに良くなる。ゲッツのために書かれた曲かと思うほど。アルバム「Sweet Rain」での演奏もいいけど、ここでもゲッツの音が聞こえた瞬間ぐっときます。

「Airegin」はこれより後年の演奏より少しテンポが遅くて最初はなんとなく違和感を覚えるけど、余裕がある分ゲッツの演奏が充実していてグッド。

スタジオ盤で意外なアレンジを披露した「Blue Skies」は、やっぱりアーヴィング・バーリン、いまいちジャズ向きのコード進行ではない。

このアルバムの白眉は、どこかに飛んでいきそうな「Tempus Fugit」ではなく、その前の「I Want To Stay」だろう。ドラマーのヴィクター・ルイス作曲、10分以上の長さ、さらに一聴してパッとしないリフという「収録時間稼ぎ」かと疑いたくなる前情報に騙されてはいけない。実はこの曲のおもしろさは演奏してみるとよくわかる。おそろしいポテンシャルを持った曲。ベース、ピアノ、テナーとも幻想的で静かなプレイからだんだん発展させていくソロ展開は最高。

 

どこかにも書いてあったけど、ゲッツのMCが最初はフランス語で拍手をもらっていたのにだんだん英語になっていって、最後に「Tempus Fugit」の曲紹介をするときはかなり拍手がまばらになっているのがフランス人気質を反映しているようですごくおもしろい。

 

ライヴ・イン・パリ '82

ライヴ・イン・パリ '82