スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

Havana Jam 2

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キューバでの歴史的コンサートの模様を収録したもので、「1」と「2」がある。こちらは「2」。ゲッツは3曲参加。「Polka Dots And Moonbeams」「Tin Tin Deo」「Sounds For Sore Ears」の3曲。

「1」ではゲッツのソロなしという煮え湯を飲まされたけど、こちらの「2」では参加3曲中2曲でソロが聴ける。それも、「Polka Dots And Moonbeams」は、個人的にゲッツ生涯の名演が聴けると思う。

最初はデクスター・ゴードンがブリブリと彼らしいテーマからソロをとる。デックスは嫌いではないからいいのだけど、「デックスもいいけど早くゲッツ出てこないかな」と思っていると、なんと曲が終わるんですよ。デックスは得意そうにカデンツァを吹いて、しっかりエンディング。観客からも割れんばかりの拍手が起こる。「ええ、もう終わり?ゲッツは?」と思っていると、なんと再びピアノのイントロが。そして6分50秒過ぎにゲッツが入ってくる、この冒頭のメロディがすごくカッコいい。こういう感じ方は人それぞれだから同感できない人もいるでしょうけど。マイルス・デイヴィスの「Someday My Prince Will Come」でも初めて聴いたとき「あれ?コルトレーンは?」と思ったものです。

この曲は12分弱で、7分近くをデックスが持っていったと思うとちょっとくやしいけど、ゲッツの名演が聴けるから許せる。ジャケット写真も微妙にゲッツの方が大きいし。

それから、ゲッツのソロが聴けるもう1曲は「Tin Tin Deo」。前のソロイストのラストフレーズを引用して入ってくるゲッツがかっこいい。ワイルドで、短めだけどこれもかなりの名演。70年代後半のゲッツって、基本的に好調でハズレなし。いえ、ゲッツにはほとんどハズレなしですね。

 

ハバナ・ジャムII

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